オウンドメディアの運用を効率化する方法|企画・執筆・入稿・計測の工数を減らす進め方
公開日: / カテゴリ: WordPress入稿 / 執筆: エラバレル

「オウンドメディアを始めたけれど、担当は自分ひとり。記事を出すだけで手いっぱいで、効果を見る余裕がない」「外注ライターを増やしたら、やりとりと入稿の作業が増えて、かえって忙しくなった」。会社のオウンドメディア(自社で運営するブログやメディア)の担当者から、こうした悩みをよく聞きます。
先に結論をお伝えします。オウンドメディアの運用を効率化するには、作業を「企画・執筆・確認・入稿・公開・計測」の工程に分け、それぞれで「型を作る」「まとめてやる」「自動にする」のどれが使えるかを考えることです。 特に、毎回同じ手順をくり返す入稿と公開は、いちばん自動にしやすい工程です。そこで浮いた時間を、記事の中身や効果の分析といった、人にしかできない仕事に回します。
この記事では、オウンドメディアの工数がかかる理由、効率化の3つの考え方、工程ごとの具体的な方法、よくある失敗までを、少人数で運営している担当者向けに説明します。
この記事でわかること
- オウンドメディアの運用で、工数がかかる理由
- 効率化の3つの考え方(型を作る・まとめてやる・自動にする)
- 企画・執筆・確認の効率化(構成案・マニュアル・Googleドキュメント)
- 入稿と公開の効率化(予約投稿・入稿の自動化)
- 計測の効率化(毎月見る数字を決める)
- 効率化でよくある失敗
オウンドメディアの運用で、工数がかかる理由
オウンドメディアの運用は、記事を書くことだけではありません。1本の記事が公開され、効果を確かめるまでに、多くの工程があります。
| 工程 | 主な作業 | 時間がかかる理由 |
|---|---|---|
| 企画 | テーマ選び、狙う検索語の調査、構成案づくり | 毎回ゼロから考えている |
| 執筆 | 原稿を書く、外注ライターとのやりとり | 方向のずれによる書き直し |
| 確認・校正 | 事実確認、表記の統一、社内の確認 | 確認する人やファイルがばらばら |
| 入稿 | WordPressに貼り付け、見出し・画像・表を整える | 毎回同じ手作業をくり返す |
| 公開 | カテゴリ・アイキャッチ・説明文の設定、予約 | 設定の入れ忘れと確認 |
| 計測 | アクセスや問い合わせの数字を見る、改善を考える | 何を見ればいいか決まっていない |
工程が多いうえに、担当者が1〜2人という会社も多く、記事を出すだけで精一杯になりがちです。しかも、オウンドメディアの担当は、ほかの仕事と兼ねていることが少なくありません。本業が忙しい時期には更新が止まり、再開するたびに手順を思い出すところから始まる、ということもよくあります。その結果、いちばん大事な「記事の中身を良くすること」と「効果を見て改善すること」に時間が回らなくなります。
オウンドメディアとは
オウンドメディアは、会社が自分で持っている(own)情報発信の場のことです。広い意味では会社のホームページやSNSも含みますが、一般には、会社のブログや、お役立ち情報を発信するウェブメディアを指すことが多いです。
効率化の3つの考え方
工程ごとの方法に入る前に、効率化の考え方を3つに整理します。
- 型を作る:毎回考えていることを、テンプレートやマニュアルにする(構成案、執筆の決まり、確認のチェックリスト)
- まとめてやる:1本ずつ細切れにやっている作業を、まとめて片づける(企画は月1回、入稿は週1回など)
- 自動にする:毎回同じ手順をくり返す作業を、ツールに任せる(入稿、予約、数字の集計)
自動にする前に、型を作る
いきなりツールを入れても、作業の手順がばらばらのままだと、うまく自動にできません。道具より先に、手順です。まず型を作って手順をそろえ、そのうえで自動にするのが、遠回りに見えて近道です。たとえば、原稿の書き方がライターごとに違うままでは、入稿を自動にしても、あとで直す手間が残ります。
企画の効率化
狙う検索語の一覧を作っておく
記事を1本書くたびにテーマを考えていると、それだけで時間がかかります。お客さんが検索しそうな言葉や、よく聞かれる質問を、表計算ソフトに一覧にしておきます。営業や問い合わせの担当者から、お客さんに聞かれたことを定期的に集めると、一覧が自然に増えていきます。
一覧には、次の列を作っておくと、企画を決めるときに迷いません。
- 検索語・質問(例:「〇〇 費用」「〇〇は自分でできる?」)
- 読者(初めての人か、比べている人か、すでにお客さんか)
- 優先度(問い合わせにつながりやすいか)
- 状態(未着手・執筆中・公開済み)と、公開済みなら記事のURL
同じテーマの記事を二重に作ってしまうのも、よくある時間のむだです。一覧に「公開済み」の記事のURLを入れておけば、新しい企画を決めるときに、すでに書いたテーマかどうかをすぐに確かめられます。
企画は月に1回まとめて決める
一覧の中から、翌月に書く記事を月に1回まとめて決めます。決めた記事は、公開の予定日と担当者を入れて、予定表にします。毎週テーマに悩む時間がなくなり、外注ライターへの依頼もまとめて出せます。
新しく書くより、既存の記事を直す
記事が数十本たまってきたら、新しい記事を書くより、すでにある記事を直すほうが効果が出やすいことがあります。検索で表示されているのにあまり読まれていない記事、情報が古くなった記事を見直して、内容を足したり、更新したりします。
見直す記事は、Search Consoleで「表示回数は多いのに、クリックが少ない記事」から選ぶと効率的です。検索結果には出ているのに選ばれていないので、題名や説明文を読者の悩みに合わせて直すだけで、読まれる数が増えることがあります。また、見出しを質問の形にして、すぐ下に短い答えを書き足すと、GoogleのAIによる概要やChatGPTなどのAI検索にも引用されやすくなります。新しい記事を1本書く時間で、既存の記事を3本直せることも多いので、企画の中に見直しの枠を必ず入れておきましょう。
執筆の効率化
構成案のテンプレートを使う
外注ライターとのやりとりで、いちばん時間を取られるのは、書き上がってからの大きな直しです。書き始める前に、読者・結論・見出しの並び・入れる情報をまとめた構成案を渡すと、直しが大きく減ります。構成案の作り方とテンプレートは、記事の構成案テンプレートの記事で紹介しています。
執筆マニュアルを1つ作る
文体(です・ます調)、表記のルール(数字は半角、など)、見出しの付け方、画像の指定のしかたなどを、1つのマニュアルにまとめます。ライターが増えても、毎回同じ説明をする必要がなくなります。マニュアルの例はライター向けの執筆マニュアルのテンプレートの記事で紹介しています。
原稿は、Googleドキュメントに一か所でまとめる
原稿をワードのファイルでメールに添付してやりとりしていると、「最新の版はどれか」「誰がどこを直したか」が分からなくなります。Googleドキュメントで、1記事1ドキュメントにし、構成案・原稿・確認のやりとりを同じドキュメントの中で進めると、ファイルを探す時間がなくなります。
フォルダの分け方も決めておくと便利です。
- 「01_企画中」「02_執筆中」「03_確認中」「04_入稿待ち」「05_公開済み」のように、工程ごとにフォルダを分ける
- ドキュメントの名前の先頭に、公開予定日を入れる(例:「1020_〇〇の選び方」)
ライターの納品をGoogleドキュメントにする理由と流れは、ライターの納品をGoogleドキュメントにする理由の記事でも説明しています。
AIは「下書き」と「見直し」に使う
ChatGPTなどのAIは、構成案のたたき台づくり、表現の言い換え、誤字の確認などに使うと、時間を減らせます。ただし、AIの書いた文章をそのまま公開するのは避けてください。数字や事実の確認、自社にしか書けない情報の追加は、人がやる必要があります。くわしくはAIで書いた記事を自動投稿する方法と注意点の記事で説明しています。
確認・校正の効率化
直しは「提案モード」で
原稿の直しは、Googleドキュメントの「提案モード」を使います。直した箇所が記録として残り、ライターは承認するだけで反映できます。メールで「〇行目の△△を□□に」と書いて送る手間がなくなります。
確認のチェックリストを作る
毎回確かめることを、チェックリストにしておきます。
公開前の確認チェックリスト(例)
- 記事の結論が、最初のほうで言い切られている
- 数字・料金・制度の名前を、元の資料で確かめた
- 見出しが「見出し2」「見出し3」のスタイルで付いている
- 表記のルール(数字・カタカナ・送りがな)がそろっている
- 画像に、内容が分かる説明(alt)を付けた
- 記事の中のリンクが、正しいページを指している
- 題名・スラッグ・カテゴリ・説明文が決まっている
社内で複数の人が確認する場合は、確認する人と順番を決めておきます。全員が同時に直し始めると、直しがぶつかって、かえって時間がかかります。
たとえば、「担当者が文章と表記を確認 → 商品やサービスに詳しい人が中身を確認 → 最後に担当者がチェックリストで仕上げる」のように、確認する人ごとに見る範囲を分けます。中身を確認する人に、誤字や表記まで見てもらう必要はありません。見る範囲がはっきりしていれば、1人あたりの確認の時間が短くなり、確認待ちで記事が止まることも減ります。
確認の期限も決めておきましょう。「原稿を受け取ってから3営業日以内」のように決めておけば、確認が後回しになって公開が遅れることを防げます。
入稿と公開の効率化
入稿は、いちばん自動にしやすい工程
入稿は、確定した原稿をWordPressに入れて、見出し・画像・表・設定を整える作業です。中身を考える必要がなく、毎回同じ手順のくり返しなので、自動にしたときの効果がいちばん大きい工程です。
手作業で入稿を続ける場合は、次の点をそろえておくと、貼り付けたあとの手直しが減ります。
- 原稿の見出しは、文字を大きくするのではなく、見出しのスタイルで付ける
- 表は、Googleドキュメントの表の機能で作る
- 画像は、使う画像をあらかじめ決めて、内容が分かるファイル名にしておく
- 記事の設定(題名・スラッグ・カテゴリ・タグ・説明文・公開日)は、原稿の先頭にまとめて書いておく
- アイキャッチ画像は、記事ごとに作るのではなく、デザインの型を決めて文字だけ差し替える
入稿は、1本ずつ確認が終わるたびにやるより、週に1回などまとめてやるほうが、作業の切り替えが減って早く終わります。WordPressの画面を開き、同じ手順を続けてくり返すほうが、手も覚えて、入れ忘れも減ります。
入稿そのものを自動にする方法には、CSVで読み込む、REST APIでプログラムから送る、Googleドキュメントから変換して送る、などがあります。方法ごとの比べ方はWordPressに記事をまとめて投稿する方法の記事で説明しています。
Googleドキュメントから、そのまま入稿する
原稿をGoogleドキュメントで一か所にまとめているなら、ドキュメントから直接WordPressに送る方法が、いちばん流れがきれいです。私たちが運営しているドクポスは、GoogleドキュメントのURLを貼ると、WordPressの記事(下書き・予約・公開)を作るウェブサービスです。
- 見出し・太字・リンク・箇条書き・表・画像・蛍光ペンを、WordPressのブロックに変換する
- 画像は、メディアライブラリにアップロードした状態で入る
- ドキュメントの先頭に「タイトル:」「スラッグ:」「カテゴリ:」「メタディスクリプション:」「ステータス:予約」「公開日:」などを書くと、記事の設定にも入る
- 1回で最大50本までまとめて送れる。複数のWordPressサイトも登録できる
- WordPressとは、標準機能のアプリケーションパスワードでつなぐので、ログインのパスワードを渡す必要がない
ドクポスはAIを使っておらず、文章を書き換えません。確認が済んだドキュメントのとおりに変換するので、確認と入稿の役割をはっきり分けられます。5記事まで、カード登録なしで試せます。
ドクポスを無料で試す公開は「予約」でまとめる
入稿した記事は、その場で公開するのではなく、公開の予定表にそって予約しておきます。1週間分、2週間分をまとめて予約しておけば、毎日WordPressを開いて公開ボタンを押す必要がなくなります。手順はWordPressで記事をまとめて予約投稿する方法の記事で説明しています。
計測の効率化
毎月見る数字を、3つに絞る
計測で時間がかかるのは、「何を見ればいいか」が決まっていないからです。毎月見る数字を、目的に合わせて3つ程度に絞ります。
| 目的 | 毎月見る数字の例 | 見る場所 |
|---|---|---|
| 検索から読まれる | 検索での表示回数・クリック数 | Search Console |
| 記事が読まれる | 記事ごとの閲覧数 | Googleアナリティクス |
| 問い合わせにつながる | 記事から問い合わせ・資料請求に進んだ数 | Googleアナリティクス |
数字は、表計算ソフトに毎月同じ形で書き写すか、Googleアナリティクスやレポートのツールで、同じ形の画面を作っておきます。毎月同じ数字を、同じ場所で見るだけで、変化に気づきやすくなります。
AIからの訪問も見ておく
最近は、ChatGPTやPerplexityなどのAIの答えから、記事に訪れる人も出てきています。Googleアナリティクスの参照元を見ると、AIのサービスからの訪問を確かめられます。見方はGA4でAIからの訪問を確かめる方法の記事で説明しています。
数字を見たら、次にやることを1つ決める
計測の目的は、数字を見ることではなく、次の手を決めることです。毎月、「表示はされているのに読まれていない記事の題名を直す」「問い合わせにつながった記事と同じテーマの記事を増やす」のように、次にやることを1つだけ決めて、翌月の企画に入れます。
1か月の運用の流れの例
ここまでの方法を組み合わせると、少人数のチームでも、次のような流れで1か月を回せます。月に8本(週2本)を公開する場合の例です。
- 第1週:前の月の数字を見て、次にやることを決める(1時間)。翌月の企画8本を決め、構成案を作ってライターに渡す(半日)
- 第2週:ライターが執筆。担当者は、古い記事の見直しを2〜3本進める
- 第3週:原稿が届いたものから、提案モードで確認。チェックリストで最終確認
- 第4週:確認が済んだ原稿をまとめて入稿し、翌月分を予約する
ポイントは、「書く月」と「公開する月」を1か月ずらすことです。翌月に公開する記事を今月のうちに仕込んでおけば、急な仕事や休みが入っても、公開の予定が崩れません。
担当者1人・外注ライター2人の場合の役割分担
担当者:企画(月1回)、構成案づくり、原稿の確認、入稿と予約、毎月の数字の確認
ライター:構成案にそった執筆(1人月4本)、指摘された箇所の修正
ツール:Googleドキュメント(原稿と確認)、WordPress(公開)、入稿の自動化(入稿と予約)、Search ConsoleとGoogleアナリティクス(計測)
担当者の作業時間の目安は、入稿を手作業でする場合より、入稿と予約を自動にした場合のほうが大きく減ります。その分を、構成案の質と記事の見直しに回します。
この流れは一例です。自社の人数と本数に合わせて、どこを担当者がやり、どこを外注し、どこを自動にするかを決めてください。最初から完璧な流れを作る必要はなく、1か月回してみて、詰まった工程から直していけば十分です。
効率化でよくある失敗
効率化でよくある失敗
- 本数を増やすことが目的になる:効率化で浮いた時間を、記事の本数を増やすことだけに使うと、中身の薄い記事が増えます。浮いた時間は、記事の質と見直しに回します
- ツールを増やしすぎる:ツールごとに使い方を覚え、データが散らばると、かえって手間が増えます。原稿はGoogleドキュメント、公開はWordPress、計測はSearch ConsoleとGoogleアナリティクス、のように、場所を絞ります
- 確認を省く:急ぐあまり確認を省くと、間違いの訂正に、もっと時間がかかります
- 担当者しか手順を知らない:手順が担当者の頭の中にしかないと、休みや異動で止まります。マニュアルとチェックリストに残しておきます
よくある質問
担当者が1人でも、オウンドメディアは続けられますか?
続けられます。1人の場合こそ、工程ごとに型を作り、入稿や予約のような決まった作業を自動にすることが大切です。月に4本など、無理のない本数を決めて、見直しの時間も予定に入れてください。
外注ライターは何人くらいがちょうどいいですか?
担当者が確認できる本数で決めます。ライターを増やすと書ける本数は増えますが、確認ややりとりの手間も増えます。構成案とマニュアルがそろってから、少しずつ増やすのがおすすめです。外注の費用の考え方はブログ記事の外注費用の記事で説明しています。
入稿を外注するのと、ツールで自動にするのでは、どちらがいいですか?
本数と、記事の形がどれくらいそろっているかで決めます。記事の形がばらばらで、毎回細かい調整が必要なら、人に頼むほうが向いています。原稿の書き方がそろっていて本数が多いなら、ツールで自動にしたほうが、早くて費用も読みやすくなります。
どの工程から効率化すればいいですか?
いちばん時間がかかっている工程から始めます。1週間ほど、工程ごとにかかった時間を記録してみると、どこに時間が取られているかが分かります。多くの場合、執筆のやりとりと入稿が上位に入ります。
記事の本数は、どれくらいを目安にすればいいですか?
決まった正解はありません。大事なのは、決めた本数を続けることと、1本ごとの中身です。少ない本数でも、お客さんの疑問にしっかり答える記事を続けて出すほうが、多くの本数を不定期に出すより成果につながりやすくなります。
効率化の効果は、どうやって確かめればいいですか?
工程ごとにかかった時間を、効率化の前と後で比べます。たとえば「1本の入稿にかかる時間」「原稿を受け取ってから公開までの日数」「1本あたりの直しの回数」などです。数字で比べると、どの方法が効いたかが分かり、次に手をつける工程も決めやすくなります。
古い記事の見直しは、どれくらいの間隔でやればいいですか?
半年に1回ほどが目安です。料金・制度・サービスの内容が変わったときは、そのつど直します。見直しの予定も、企画の予定表に入れておくと、忘れずに続けられます。
まとめ
オウンドメディアの運用を効率化する方法をまとめます。
この記事のまとめ
- オウンドメディアの工数は、企画・執筆・確認・入稿・公開・計測の6つの工程に分けて考える
- 効率化の考え方は「型を作る」「まとめてやる」「自動にする」の3つ。自動にする前に型を作る
- 企画は月1回まとめて、構成案とマニュアルで執筆の直しを減らす
- 原稿はGoogleドキュメントに一か所でまとめ、確認は提案モードで
- 入稿と公開は、いちばん自動にしやすい工程。予約でまとめて公開する
- 計測は、毎月見る数字を3つに絞り、次にやることを1つ決める
原稿をGoogleドキュメントでまとめているなら、入稿から予約までを一続きにできます。5記事まで、カード登録なしで試せます。
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