選ばれるAI診断

旅館・ホテルのLLMO対策|119施設の公式サイトを診断したら、平均45.7点で22業種の最下位だった【AI検索対策】

公開日: / 更新日: / カテゴリ: 業種別の調査 / 執筆: エラバレル

旅館・ホテルのLLMO対策|119施設の公式サイトを診断したら、平均45.7点で22業種の最下位だった【AI検索対策】

「AIに『〇〇温泉のおすすめの宿』と聞いたら、予約サイトのページばかりが出典になっていた」「うちの宿の情報が、AIに古いまま紹介されている」。旅の宿選びを、ChatGPTやGoogleのAIによる概要に相談する人が増え、宿の側でもこうした悩みが出てきています。

先に結論をお伝えします。旅館・ホテルの公式サイトがAIに選ばれるために大事なのは、チェックイン時間・部屋と風呂・食事・アクセス・料金の目安・キャンセル規定といった「宿の基本情報」を、公式サイトに文章で書き、運営者の情報をはっきりさせることです。予約サイトに情報がそろっていても、公式サイトに書かれていないと、AIは予約サイトの情報を出典にします。

選ばれるAI診断は2026年10月、全国の旅館・ホテルの公式ホームページ119施設を診断しました。平均は100点満点中45.7点。これまで調べた22業種の中で最も低い結果で、78%の施設がD判定でした。

この記事では、旅館・ホテルのホームページがAIに選ばれにくい理由を調査の数字で示し、今日からできる直し方を、文例と構造化データのコードつきでまとめます。

この記事でわかること

  • 旅館・ホテルのLLMO対策とは何か、旅行者がAIにどんな質問をしているか
  • 119施設の診断結果(平均点、判定の内訳、22業種との比較、分野ごとの点数)
  • 多かった不足と、旅館・ホテルならではの特徴(109施設の中身の調査)
  • 基本情報を書いている施設ほど点数が高いという結果
  • 今日からできる直し方と、よくある質問の文例
  • LodgingBusinessの構造化データのコード

旅館・ホテルのLLMO対策とは?

LLMO対策(AIO対策、AI検索対策とも呼ばれます)は、ChatGPTやGoogleのAIによる概要などが回答を作るときに、自分の宿を正しく読み取り、候補や出典として挙げてもらうための対策です。

AIが答えるときに材料にするのは、宿の公式サイト、Googleビジネスプロフィール、口コミ、予約サイトです。このうち、宿が自分の言葉で、いちばん詳しく正確に書けるのが公式サイトです。

旅行者は、AIにこんな質問をしている

旅館・ホテルの場合、AIには次のような質問がされます。

  • 「〇〇温泉で、部屋食ができる旅館は?」
  • 「〇〇駅から歩いて行けるホテルで、朝食がおいしいところは?」
  • 「ペットと泊まれる〇〇の宿を教えて」
  • 「〇〇旅館のチェックインは何時から?」

AIは、場所・部屋や風呂・食事・チェックイン時間・アクセス・料金の目安を組み合わせて答えようとします。特に最後の例のように、宿の名前を挙げて具体的なことを聞く質問では、公式サイトに答えが書いてあるかどうかで、AIの答えの正確さが変わります。

予約サイトと公式サイトの役割の違い

予約サイトは、多くの宿を同じ形式で比べるための場所です。公式サイトは、その宿にしかない特徴や、細かい決まりごと(門限、送迎の条件、アレルギーの対応など)を、宿自身の言葉で伝えられる唯一の場所です。AIに「どんな宿か」を正しく伝えるには、公式サイトの情報が欠かせません。

119施設を診断した結果

平均45.7点。22業種の中で最下位

業種調べた数平均点
工務店6362.6
歯科医院5262.1
外壁塗装8261.5
税理士事務所11360.1
クリニック13359.2
整体院10858.7
社会保険労務士10657.9
行政書士27956.7
葬儀社13856.5
保険代理店5153.4
不動産会社12453.4
英会話教室5653.0
眼科7751.4
学習塾11651.2
自動車整備11250.6
整形外科4550.2
中古車販売店12050.0
エステサロン6349.6
動物病院12849.6
ネイルサロン14849.3
美容室7848.5
旅館・ホテル11945.7

判定の内訳は、A判定0施設(0%)、B判定1施設(1%)、C判定25施設(21%)、D判定93施設(78%)でした。22業種全体(2,296件)の平均は54.1点なので、旅館・ホテルは全体より8.4点低く、下から2番目の美容室(48.5点)とも3点近い差がありました。

分野ごとの点数

分野平均点
AIに読んでもらえるか97点
技術の土台(HTTPS・速さ・サイトマップ)82点
運営者の信頼性39点
AIが引用しやすい書き方38点
構造化データ12点

AIのクローラーに読まれる状態にはなっていますが、運営者の信頼性(39点)と構造化データ(12点)が低く、「どの会社が運営している宿か」「宿の基本情報」がAIに伝わりにくい状態でした。

多かった不足

不足していた項目旅館・ホテル(119施設)
質問に答える形の見出しが足りない97%(116施設)
運営者の情報が、構造化データに十分入っていない96%(114施設)
ページの内容の種類が、構造化データで伝わっていない96%(114施設)
運営者情報(会社概要)の中身が不十分83%(99施設)
見出しの直後に短い答えがない81%(96施設)
構造化データがない(または壊れている)69%(82施設)
見出しの構造(h1・h2)に問題がある61%(73施設)
プライバシーポリシーの表記がない40%(48施設)
問い合わせ先が見つからない22%(26施設)
会社概要(運営者情報)のページへのリンクがない20%(24施設)
サイトマップがない18%(22施設)
本文がプログラムで後から表示され、読めない17%(20施設)

運営者情報の中身が不十分な施設が83%と、22業種の中で最も高い割合でした(22業種全体では48%)。会社概要のページがあっても、運営会社の名前や所在地、連絡先が十分に書かれていない施設が多い結果です。

WordPressで作られたサイトは50施設(42%)で、平均点はWordPressが49.4点、それ以外(ホームページ作成サービスや専用のシステムなど)が43.1点でした。

旅館・ホテルならではの特徴

トップページと、そこからリンクされている料金・案内のページを確認して、旅館・ホテルに特有の点も数えました。

状態施設割合
予約・宿泊プランの案内がある89 / 10982%
アクセス・送迎の案内がある82 / 10975%
食事の案内がある77 / 10971%
温泉・大浴場の案内がある48 / 10944%
チェックイン・アウトの時間がある43 / 10939%
キャンセル規定がある38 / 10935%
外国語のページがある28 / 10926%
よくある質問がある50 / 10946%
金額(料金・費用)が書かれている(トップか料金ページ)51 / 10947%
文章が少ない(写真中心で1,500字未満)46 / 10942%
旅館・ホテルのホームページの特徴
出典:選ばれるAI診断の調査

予約や食事の案内は多くの施設にありましたが、チェックイン時間(39%)、キャンセル規定(35%)、外国語のページ(26%)は少数でした。チェックイン時間やキャンセル規定は、予約サイトには書かれていても、公式サイトには書かれていないことが多い情報です。

書いている施設ほど、点数が高い

書いているかどうか書いている施設の平均点書いていない施設の平均点
アクセス・送迎の案内がある47.7点41.4点
予約・宿泊プランの案内がある47.2点40.9点
よくある質問49.8点43.0点
食事の案内がある48.0点41.4点
温泉・大浴場の案内がある49.9点43.0点

これらの項目そのものが診断の点数に入っているわけではありません。ただ、旅行者が知りたいことを具体的に書いている施設ほど、ホームページ全体がAIにとって読みやすい形に整っている傾向がありました。文章が少ない施設(写真中心で1,500字未満)の平均は39.0点で、文章が十分な施設(51.4点)より12点以上低い結果でした。

旅館・ホテル119施設の調査のまとめ

  • 平均45.7点で22業種の最下位、D判定が78%
  • 構造化データの分野の平均は12点、運営者の信頼性は39点
  • 運営者情報の中身が不十分な施設が83%(22業種で最も高い)
  • チェックイン時間を書いている施設は39%、キャンセル規定は35%、外国語のページは26%
  • よくある質問がある施設の平均は49.8点、ない施設は43.0点

今日からできる直し方

ここからは、調査で多かった不足を中心に、今日からできる直し方をまとめます。

直し方かかる時間の目安費用
1. 宿の基本情報を、1ページに文章でまとめる1〜2時間0円
2. 料金の目安とキャンセル規定を書く30分〜1時間0円
3. 旅行者の質問を、よくある質問にする2〜3時間0円
4. 運営者の情報を書く30分0円
5. 外国語のページを用意する半日〜0円〜
6. 構造化データを入れる30分〜1時間0円

1. 宿の基本情報を、1ページに文章でまとめる

  • チェックイン・チェックアウトの時間、門限
  • 部屋の数と種類、風呂(温泉の泉質、露天、貸切風呂)
  • 食事(部屋食・食事処、アレルギー対応)
  • 駐車場、送迎、最寄り駅からの時間
  • 子ども・ペット・車いすへの対応

予約システムの画面の中にしか書かれていない情報は、AIのクローラーが読めないことがあります。予約の画面とは別に、ふつうのページとして「宿のご案内」や「館内のご案内」をまとめておくのがおすすめです。

基本情報の書き方の例(〇〇旅館)

〇〇旅館は、〇〇温泉の川沿いにある全12室の旅館です。チェックインは15時から18時まで、チェックアウトは10時です。温泉は〇〇泉で、露天風呂のほか、45分単位で予約できる貸切風呂が1つあります。夕食は部屋食で、卵・小麦などのアレルギーには、予約の3日前までのご連絡で対応しています。〇〇駅から送迎があります(15時〜17時、要予約)。

2. 料金の目安とキャンセル規定を書く

予約サイトの料金は変わりますが、「1泊2食付き 1人〇〇円〜」のような目安と、キャンセル料の規定は公式サイトに書いておきます。キャンセル規定を書いている施設は35%でした。「前日50%、当日80%、連絡なしの不泊100%」のように、何日前からいくらかかるかを表や文章で書くと、旅行者にもAIにも分かりやすくなります。

3. 旅行者の質問を、よくある質問にする

よくある質問がある施設は46%でした。フロントや電話でよく聞かれることを、そのまま見出しにします。

  • 「チェックインの前に荷物を預けられますか?」
  • 「夕食の時間は選べますか?」
  • 「子どもの料金はいくらですか?」
  • 「最寄り駅から送迎はありますか?」
  • 「ペットと一緒に泊まれますか?」

見出しを質問の形にして、すぐ下の1〜2文で答えを書きます。質問の見出しが足りない施設は97%、見出しの直後に答えがない施設は81%で、よくある質問を作ることが、最も点数を上げやすい直し方です。書き方はよくある質問の構造化データの記事でも説明しています。

4. 運営者の情報を書く

会社概要(運営者情報)の中身が不十分な施設が83%でした。運営会社の名前、所在地、代表者、旅館業の許可、連絡先を書きます。宿の名前と運営会社の名前が違う場合は、両方を書いて、関係が分かるようにしておきます。運営者の情報の書き方は、小さな会社のE-E-A-Tの記事も参考にしてください。

宿の住所と、運営会社の住所が違う場合

運営会社の本社が別の場所にある場合は、「宿の所在地」と「運営会社の所在地」を分けて書きます。どちらか一方しか書いていないと、AIが宿の場所を取り違えることがあります。構造化データでも、宿の住所を address に入れてください。

5. 外国語のページを用意する

外国語のページがある施設は26%でした。外国人の旅行者がAIに英語などで質問したとき、その言語の情報がある宿のほうが、答えの材料にしやすくなります。全ページを訳す必要はなく、基本情報(チェックイン時間、アクセス、食事、料金の目安)だけでも英語のページを作っておくと役に立ちます。

6. 構造化データを入れる(LodgingBusiness)

構造化データ(宿の情報を、AIや検索エンジンが間違いなく読み取れる書式)は、平均12点と最も伸びしろのある分野です。旅館・ホテルには LodgingBusiness を使います。

<script type="application/ld+json">
{
  "@context": "https://schema.org",
  "@type": "LodgingBusiness",
  "@id": "https://example.com/#business",
  "name": "〇〇旅館",
  "url": "https://example.com/",
  "logo": "https://example.com/logo.png",
  "description": "〇〇温泉の旅館。全12室、露天風呂付き客室あり。夕食は部屋食。〇〇駅から送迎あり(要予約)。",
  "telephone": "+81-58-000-0000",
  "address": {
    "@type": "PostalAddress",
    "postalCode": "500-0000",
    "addressRegion": "岐阜県",
    "addressLocality": "岐阜市",
    "streetAddress": "〇〇町1-2-3",
    "addressCountry": "JP"
  },
  "checkinTime": "15:00",
  "checkoutTime": "10:00",
  "numberOfRooms": 12,
  "petsAllowed": false,
  "sameAs": ["https://www.instagram.com/〇〇/"]
}
</script>

checkinTime(チェックイン時間)、checkoutTime(チェックアウト時間)、numberOfRooms(部屋の数)、petsAllowed(ペットの可否)は、宿ならではの項目です。入力欄に書き込むだけでコードを作れるツールもあります。書き方の詳細はLocalBusinessの構造化データの書き方の記事で、業種ごとの型はLocalBusinessの種類の一覧の記事で説明しています。

構造化データ作成ツールを使う(無料)

自分の宿の公式サイトのチェックリスト

  • チェックイン・チェックアウトの時間が、文字で書かれている
  • 部屋・風呂・食事・アクセスが、予約画面とは別のページにまとまっている
  • 料金の目安と、キャンセル規定が書かれている
  • よくある質問が、質問の見出しと1〜2文の答えの形で5個以上ある
  • 運営会社の名前・所在地・連絡先・旅館業の許可が書かれている
  • 基本情報だけでも、英語のページがある

自分の宿のホームページを確かめる

今回の119施設の診断と同じ方法で、自分の宿のホームページを確かめられます。選ばれるAI診断なら、URLを入れるだけで、22項目の判定と理由を無料で確認できます。登録は不要です。

自分のサイトを、無料で診断する

よくある質問

予約サイトに載っていれば、公式サイトはいらないのでは?

予約サイトの情報もAIに読まれますが、「どんな宿か」を自分の言葉で詳しく伝えられるのは公式サイトだけです。公式サイトから予約してもらえれば、手数料もかかりません。

ホテルの場合も LodgingBusiness でいいですか?

ホテルなら Hotel、旅館なら LodgingBusiness(または Hotel)、民宿やゲストハウスなら BedAndBreakfast や Hostel も使えます。

口コミはAIに影響しますか?

大きく影響します。Googleの口コミや予約サイトの口コミは、AIが宿を選ぶときの主な材料です。口コミに丁寧に返信し、公式サイトの情報と食い違いがないようにしましょう(Googleビジネスプロフィールの記事)。

予約システムのページは、AIに読まれますか?

予約システムによっては、プランや料金がプログラムで後から表示され、AIのクローラーが読めないことがあります。本文がプログラムで後から表示されて読めない施設は17%ありました。大事な情報は、予約システムとは別のふつうのページにも書いておくのが安全です(JavaScriptとAIの記事)。

料金は季節で変わります。それでも書いたほうがいいですか?

書いたほうがよいです。「1泊2食付き 1人〇〇円〜(時期により変わります)」のように、目安と変わる条件を書けば十分です。料金がまったく分からない宿は、「予算〇〇円で泊まれる宿は?」という質問の候補に入りにくくなります。

写真がきれいなら、文章は少なくてもいいのでは?

写真は宿の魅力を伝えるのに欠かせません。ただ、AIは写真の内容を読み取れないので、部屋や風呂、食事の特徴は、写真とは別に文章でも書いてください。文章が少ない施設の平均点は39.0点で、十分な施設より12点以上低い結果でした。

まとめ

旅館・ホテルの公式サイトは、写真や予約の案内は充実していても、AIが答えの材料にできる文章と、運営者の情報が足りない施設がほとんどでした。

この記事のまとめ

  • 旅館・ホテルの公式ホームページ119施設の平均は45.7点で、22業種の最下位。78%がD判定
  • 最も弱い分野は構造化データ(平均12点)と運営者の信頼性(平均39点)
  • 運営者情報の中身が不十分な施設が83%で、22業種で最も高かった
  • チェックイン時間を書いていた施設は39%、キャンセル規定は35%、外国語のページは26%
  • よくある質問がある施設の平均点は49.8点で、ない施設(43.0点)より高かった
  • 宿の基本情報・料金の目安・キャンセル規定・運営者の情報を文章で書き、LodgingBusinessの構造化データを入れる

まずは、自分の宿の公式サイトに何が足りないかを確かめてください。選ばれるAI診断なら、URLを入れるだけで、22項目の判定と理由を無料で確認できます。

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参考にした資料

調査の方法:2026年10月、地図の公開データ(OpenStreetMap)に公式サイトのURLが登録されていた全国の旅館・ホテルから150施設を選び、選ばれるAI診断で診断しました(サイトが開けなかった31施設を除く119施設)。点数・判定・項目ごとの割合は、2026年10月2日に見直した採点基準で再診断した結果です。料金などの項目は、トップページと、そこからリンクされている料金・案内のページのHTMLを確認して数えています(109施設)。他の業種の数字は、2026年9〜10月に同じ方法で調べ、同じ基準で再診断した結果です。公開しているのは集計した数字だけで、個別の名前と点数は公開していません。