FAQの構造化データは今も意味がある? 検索に表示されなくなった理由と、AI検索での使い道【816サイトの調査つき】
公開日: / 更新日: / カテゴリ: 構造化データ / 執筆: エラバレル

「FAQの構造化データを入れたのに、検索結果に質問が出てこない」「もう入れる意味はないのか、それとも入れておいたほうがいいのか」。ホームページのよくある質問を整えようとすると、こうした疑問が出てきます。
先に結論をお伝えします。検索結果の見た目のためにFAQの構造化データ(FAQPage)を入れる意味は、ほぼなくなりました。ただし、よくある質問のページそのものは、AI検索のためにむしろ大事になっています。 構造化データは「手間がかからないなら入れておいてよい」という位置づけです。
選ばれるAI診断が7業種816の公式サイトを調べたところ、よくある質問の言葉があるサイトは330件、FAQPageを入れていたのは19件(2%)だけでした。さらに22業種・2,296サイトの診断では、質問に答える形の見出しが足りないサイトが91%にのぼりました。
この記事では、FAQが検索に表示されなくなった理由と、AI検索でのよくある質問の使い道、FAQPageの正しい書き方とルールまでを、まとめて解説します。
この記事でわかること
- FAQの構造化データ(FAQPage)とは何か
- 2023年8月から、検索結果にFAQが表示されなくなった理由
- 816サイトで、よくある質問とFAQPageがどう使われていたか
- AI検索で、よくある質問のページが大事になっている理由
- FAQPageの書き方と、守るべきルール・よくある失敗
- 構造化データより先にやる、よくある質問の作り方
FAQの構造化データ(FAQPage)とは?
FAQの構造化データとは、ページに書かれている「質問」と「答え」の組を、検索エンジンやAIが機械的に読み取れる形で伝えるためのコードです。schema.org という共通の決まりの中で、FAQPage という型として定められています。
構造化データは、ページのHTMLの中に <script type="application/ld+json"> という形で書きます。人がページを見たときの見た目は変わりませんが、検索エンジンやAIは、このコードを読んで「このページには、こういう質問と答えがある」と理解します。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 構造化データ | ページの内容を、機械が読み取れる決まった書式で書いたもの |
| FAQPage | よくある質問のページを表す型 |
| Question | 質問1つ分 |
| acceptedAnswer(Answer) | その質問への答え |
| リッチリザルト | 検索結果に表示される、星の評価や折りたたみの質問などの特別な表示 |
FAQPageとQAPageの違い
FAQPageは「サイトの運営者が、質問と答えを両方書いたページ」に使います。利用者が質問を投稿し、ほかの人が答えるQ&Aサイト(掲示板など)には、QAPageという別の型を使います。お店や事務所のよくある質問は、FAQPageです。
なぜFAQが検索に表示されなくなったのか
以前は、FAQPageの構造化データを入れると、検索結果の下に質問と答えが折りたたみで表示され、検索結果の面積を大きく取れました。そのため、本来の目的と関係なく多くのサイトが入れるようになり、Googleは2023年8月に次のように変更しました。
| 時期 | FAQのリッチリザルト |
|---|---|
| 2023年8月まで | 条件を満たせば、多くのサイトで表示された |
| 2023年8月から | 信頼性の高い、よく知られた政府・医療関係のサイトなど、一部に限って表示 |
Googleは、検索結果をすっきり見やすくし、どの検索でも同じような表示になるようにするため、と説明しています。同じときに、手順を表す HowTo のリッチリザルトも大きく縮小されました。
医療関係のサイトは対象になりうる、とされていますが、表示されるかどうかはGoogleが決めます。ほとんどのサイトでは、入れても表示されないのが普通です。 入れ方が間違っているわけではありません。
「FAQを入れれば検索で目立つ」という説明は古い情報
2023年より前に書かれた記事やホームページ制作の提案には、「FAQの構造化データで検索結果の面積が広がる」という説明が残っていることがあります。今は当てはまらないので、制作会社から提案されたときは、目的を確認してください。
816サイトで、よくある質問とFAQPageはどうなっていたか
選ばれるAI診断が2026年9〜10月に、7業種の公式サイト816件のトップページを調べた結果です。
816サイトの調査結果
- トップページに「よくある質問」「FAQ」「Q&A」などの言葉があるサイトは330件(41%)
- FAQPageの構造化データを入れていたサイトは19件(2%)
- 今もFAQのリッチリザルトの対象になりうる医療関係(クリニック)では、FAQPageは0件
| 状態 | 件数 |
|---|---|
| トップページに「よくある質問」「FAQ」「Q&A」などの言葉がある | 330件(41%) |
| FAQPageの構造化データを入れている | 19件(2%) |
業種別に見ると、次のとおりです(よくある質問の言葉があるサイトのうち、FAQPageを入れていた数)。
| 業種 | FAQPageあり / よくある質問あり |
|---|---|
| 整体院・整骨院 | 7 / 67 |
| 行政書士事務所 | 6 / 117 |
| 歯科医院 | 3 / 13 |
| 税理士事務所 | 2 / 54 |
| 工務店 | 1 / 26 |
| クリニック | 0 / 40 |
| 美容室 | 0 / 13 |

よくある質問を載せているサイトは多いのに、FAQPageはほとんど使われていませんでした。皮肉なことに、今もFAQのリッチリザルトの対象になりうる医療関係(クリニック)では、1件もありませんでした。
FAQPageが少ない理由としては、多くのSEOプラグインが、専用のFAQブロックを使ったときにしか出力しないことが考えられます。よくある質問を普通の見出しと段落で書いている場合、構造化データは出ません。また、2023年に表示が減ってから、制作会社が積極的に入れなくなったことも影響していると考えられます。
構造化データがなくても、AIは本文を読む
FAQPageがなくても、ChatGPTやGoogleのAIは、ページの本文(見出しと段落)を読んで内容を理解します。構造化データは「確実に伝えるための補助」であり、本文の質問と答えがしっかり書かれていることが前提です。
質問に答える形の見出しは、9割のサイトで足りない
さらに、2026年10月2日に見直した採点基準で22業種・2,296の公式サイトを診断すると、よくある質問に関わる項目は次のようになりました。
| 不足していた項目 | 22業種全体(2,296件) |
|---|---|
| 質問に答える形の見出しが足りない(3個未満) | 91% |
| 見出しの直後に短い答えがない | 83% |
上の7業種で見ると、質問に答える形の見出しが足りないサイトは、税理士事務所の77%からクリニック・美容室の97%まででした。「よくある質問」という言葉はあっても、質問の見出しと短い答えの形で書かれているサイトは少ないのが実態です。
AI検索では、よくある質問が大事になっている
検索結果の見た目は変わらなくても、よくある質問のページ自体は、AI検索で重要です。理由は3つあります。
理由1:AIへの質問は、そもそも「質問」の形
ChatGPTやGoogleのAIによる概要には、「駐車場はありますか?」「土曜も診てもらえますか?」「料金はいくら?」のように、質問の形で聞かれます。質問と答えの形で書かれた文章は、AIがそのまま回答の材料に使いやすくなります。
理由2:AIは、見出しの直後の短い答えを引用しやすい
質問を見出しにして、すぐ下の1〜2文で答えると、AIが「この質問の答えはここ」と切り出しやすくなります。長い前置きのあとに答えがある文章は、切り出しにくくなります。
理由3:FAQPageは「質問と答えの組」を確実に伝える
FAQPageの構造化データは、その「質問と答えの組」を、機械が確実に読み取れる形で伝えます。検索結果の表示には使われなくても、内容を理解する手がかりにはなります。
先にやるのは「よくある質問のページ」
調査では、質問に答える形の見出しが足りないサイトが91%でした。構造化データを入れる前に、お客さんの質問に、見出しと短い答えで答えるページを作ることのほうが、AI検索への効果は大きいと考えられます。
AIによる概要に引用されない理由をもっと広く知りたい場合は、AIによる概要に引用されない理由の記事も参考にしてください。
FAQPageの書き方
構造化データを入れるなら、次の形で書きます。質問(Question)と答え(acceptedAnswer)の組を、mainEntity の中に並べます。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "FAQPage",
"mainEntity": [
{
"@type": "Question",
"name": "駐車場はありますか?",
"acceptedAnswer": {
"@type": "Answer",
"text": "はい、店舗の前に3台分の無料駐車場があります。満車の場合は、近くのコインパーキングをご利用ください。"
}
},
{
"@type": "Question",
"name": "予約なしでも受けられますか?",
"acceptedAnswer": {
"@type": "Answer",
"text": "完全予約制です。当日のご予約は、お電話でお問い合わせください。"
}
}
]
}
</script>
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| @type | FAQPage(ページ全体)、Question(質問)、Answer(答え) |
| mainEntity | 質問と答えの組を、配列([ ] の中にカンマ区切り)で並べる |
| name | 質問の文(ページに表示している質問と同じ) |
| text | 答えの文(ページに表示している答えと同じ。簡単なHTMLタグは使える) |
守るべきルール
- ページに表示されている質問と答えだけを書く。 構造化データにだけある質問は、Googleのガイドライン違反
- 答えは、ページの答えと同じ内容にする
- よくある質問のページ(または質問が並んでいる部分があるページ)に入れる。 全ページに同じFAQを入れない
- 宣伝の文句を入れない。 「今なら半額」などの広告は答えに入れない
- 1つの質問に、答えは1つ。 利用者が答えを投稿する形式(Q&Aサイト)は QAPage という別の型
よくある失敗
- 質問をタブや「+」ボタンで隠し、ページを開いても答えが読めない形になっている(クリックで開く折りたたみは問題ありませんが、答えがHTMLに入っていることが前提です)
- 構造化データを入れたあと、ページの質問だけを書き直して、構造化データが古いまま
- 同じ質問と答えを、トップページと各ページにすべて入れている
- 答えが「お問い合わせください」だけで、中身がない
WordPressなら、SEOプラグインのブロックで入れられる
WordPressでは、SEOプラグインの「FAQブロック」(Yoast SEO、Rank Mathなど)を使うと、ブロックで質問と答えを書くだけでFAQPageが自動で出力されます。コードを手で書く必要はありません。設定の詳細は、Yoast SEOの構造化データ設定の記事とRank Mathの設定の記事で説明しています。プラグインを使わない場合は、WordPressに構造化データをプラグインなしで入れる方法も参考になります。
よくある質問の作り方(構造化データより先に)
構造化データより大事なのは、よくある質問のページそのものです。次の手順で作ります。
- お客さんから実際に聞かれることを書き出す。 電話やメール、来店時に聞かれたことを10個以上
- 見出しを質問の形にする。 「〇〇はできますか?」「〇〇はいくらですか?」
- すぐ下に1〜2文で答える。 最初の一文で結論、そのあとに補足
- 料金・時間・場所・予約・支払い方法・対象・やっていないことを必ず入れる
- 答えは具体的に。 「駐車場あり」ではなく「店舗前に3台、無料」
業種ごとの質問の例
- 歯科医院:「土曜日も診療していますか?」「子どもの治療もできますか?」「初診の費用はいくらですか?」
- 税理士事務所:「顧問料はいくらですか?」「相続の相談だけでもできますか?」「会計ソフトは何に対応していますか?」
- 美容室:「カットだけでも予約できますか?」「子連れでも大丈夫ですか?」「当日予約はできますか?」
- 工務店:「土地探しから相談できますか?」「見積もりは無料ですか?」「対応できる地域はどこまでですか?」
「やっていないこと」を書くのも大切です。「訪問はしていません」「カード払いは使えません」のような答えは、AIが「この店ではできない」と正しく判断する材料になります。
答えの書き方:よくない例と、よい例
同じ質問でも、答え方によって、AIが使いやすいかどうかが変わります。
| 質問 | よくない答え | よい答え |
|---|---|---|
| 駐車場はありますか? | 駐車場あり | はい。店舗の前に3台分、無料で停められます。満車のときは、向かいのコインパーキングをご利用ください。 |
| 料金はいくらですか? | お気軽にお問い合わせください | 初回のカウンセリングと施術で5,500円(税込)です。2回目からは6,600円です。 |
| 土曜日も開いていますか? | 営業日はカレンダーをご覧ください | はい。土曜日は9時から15時まで営業しています。日曜日と祝日はお休みです。 |
| 子どもも利用できますか? | ご相談ください | 小学生以上なら利用できます。小学生は保護者の同席をお願いしています。 |
よい答えに共通しているのは、最初の一文で「はい/いいえ」や金額などの結論を言い切り、そのあとに条件や補足を書いていることです。AIは、質問の直後にある結論の一文を引用しやすくなります。
質問の言い回しは、お客さんの言葉で
質問の見出しは、店や事務所の側の言葉ではなく、お客さんが実際に使う言葉で書きます。たとえば「初診料金について」ではなく「初めて行くとき、費用はいくらかかりますか?」、「アクセス」ではなく「駅から歩いて行けますか?」のように書くと、AIに聞かれる質問の形に近くなります。
よくある質問のページのチェックリスト
- 質問を見出し(h2やh3)にしている
- 見出しのすぐ下に、1〜2文で答えを書いている
- 質問の数が5個以上ある
- 料金・時間・場所・予約・支払いの質問が入っている
- 答えが画像ではなく、文字で書かれている
- 構造化データを入れる場合、ページの質問・答えと同じ内容になっている
FAQPageより先に整えたい構造化データ
構造化データを入れるなら、FAQPageより優先したいものがあります。運営者の情報(会社や店の名前・住所・電話番号・ロゴ・SNS)を伝える構造化データです。
22業種・2,296サイトの診断では、運営者の情報が構造化データに十分入っていないサイトが97%、構造化データそのものがないサイトが59%ありました。AIが「この質問の答えは、どこの誰が書いたものか」を判断するには、運営者の情報が欠かせません。
| 構造化データ | 伝えること | 優先度 |
|---|---|---|
| Organization / LocalBusiness | 運営者の名前・住所・電話番号・ロゴ・SNS | 高い(まず入れる) |
| WebSite / WebPage | サイトとページの基本情報 | 高い(SEOプラグインが自動で出すことが多い) |
| FAQPage | よくある質問の、質問と答えの組 | 手間がかからなければ入れる |
運営者の構造化データの書き方は、Organizationの構造化データの記事とLocalBusinessの構造化データの記事で説明しています。入力欄に書き込むだけでコードを作れるツールもあります。
構造化データ作成ツールを使う(無料)入れたあとの確認方法
FAQPageを入れたら、Googleの「リッチリザルト テスト」でページのURLを調べ、「よくある質問」が検出されているか、エラーがないかを確認します。表示されないのが普通なので、検出されていれば問題ありません。確かめ方は構造化データの確認方法の記事で詳しく説明しています。
自分のサイトに質問に答える形の見出しがどれくらいあるか、見出しの直後に短い答えがあるかは、選ばれるAI診断で確かめられます。
自分のサイトを、無料で診断するよくある質問
FAQPageを入れると、ペナルティになりますか?
ページに表示している質問と答えを正しく書いていれば、問題ありません。表示されていない質問を構造化データにだけ入れる、宣伝を入れる、などはガイドライン違反になります。
FAQPageを入れたのに、検索結果に出ません。
2023年8月以降は、ほとんどのサイトで表示されないのが普通です。入れ方が間違っているわけではありません。リッチリザルト テストで検出されていれば、正しく入っています。
今から入れる必要はありますか?
必須ではありません。よくある質問のページを作ることが先です。そのうえで、SEOプラグインのFAQブロックなど、手間をかけずに入れられるなら入れておく、という考え方で十分です。
よくある質問は、何個くらい書けばいいですか?
まずは5〜10個が目安です。数を増やすより、お客さんが実際に迷うこと(料金、予約、対象、時間)に、具体的に答えることを優先してください。
クリニックなら、今でもFAQが表示されますか?
医療関係のサイトは対象になりうるとされていますが、Googleが信頼性の高いサイトと判断した一部に限られます。入れたから必ず表示される、というものではありません。
よくある質問は、1つのページにまとめるべきですか?
どちらでもかまいません。よくある質問のページにまとめる方法と、料金のページに料金の質問、アクセスのページに駐車場の質問、のように関係するページに置く方法があります。どちらの場合も、質問の見出しとすぐ下の短い答えの形にしてください。
まとめ
FAQの構造化データと、AI検索でのよくある質問の役割をまとめます。
この記事のまとめ
- FAQのリッチリザルトは、2023年8月から政府・医療など一部のサイトに限られ、ほとんどのサイトでは表示されない
- 816の公式サイトで、よくある質問があるのは330件、FAQPageを入れていたのは19件(2%)
- 22業種・2,296サイトの診断では、質問に答える形の見出しが足りないサイトが91%だった
- AI検索では、質問と答えの形の文章が回答に使われやすい。構造化データより、よくある質問のページを作ることが先
- FAQPageを入れるなら、ページに表示している質問と答えだけを、同じ内容で書く
- WordPressなら、SEOプラグインのFAQブロックで手間をかけずに入れられる
まずは、自分のサイトに質問に答える形の見出しがあるかを確かめてください。選ばれるAI診断なら、URLを入れるだけで、22項目の判定と理由を無料で確認できます。
自分のサイトを、無料で診断する参考にした資料
- よくある質問(FAQPage)の構造化データ(Google 検索セントラル)
- Changes to HowTo and FAQ rich results(Google 検索セントラル ブログ、2023年8月)
- FAQPage(schema.org)
調査の方法:2026年9〜10月、選ばれるAI診断で診断した7業種の公式サイト816件のトップページを取得し、「よくある質問」などの言葉の有無と、FAQPageの構造化データの有無を集計しました。質問の見出しと見出し直後の答えの割合は、2026年10月2日に見直した採点基準で22業種・2,296件を再診断した結果です。個別のサイト名は公開していません。