Googleドキュメントをライターと共有する方法|権限の違いと、情報漏れを防ぐ設定
公開日: / カテゴリ: WordPress入稿 / 執筆: エラバレル

「外注のライターに、Googleドキュメントで原稿を書いてもらいたい。どう共有すればいいのか」「リンクで共有したら、ほかの人にも見られてしまわないか心配」。記事の執筆を外注し始めた発注者から、よく聞く悩みです。
先に結論をお伝えします。ライターとの共有は、「リンクを知っている全員」ではなく、ライターのGoogleアカウントを指定して共有するのが基本です。権限は、ライターには「編集者」、確認だけの人には「閲覧者(コメント可)」を選びます。さらに、ライターごとにフォルダを分け、再共有やダウンロードを止める設定をしておくと、情報漏れの多くは、最初の設定だけで防げます。
この記事では、Googleドキュメントの3つの権限の違い、ライターと共有する手順、フォルダの分け方、情報漏れを防ぐ設定、原稿の受け取りから契約終了までの流れを、順番に説明します。
この記事でわかること
- Googleドキュメントの共有の基本と、3つの権限の違い
- 「制限付き」と「リンクを知っている全員」の違いと、危険
- ライターと共有する手順(ドキュメント単位・フォルダ単位)
- ライターごとのフォルダの分け方と、ファイルのオーナーの注意
- 再共有・ダウンロードを止めるなど、情報漏れを防ぐ設定
- 契約が終わったときの権限の外し方と、確認の方法
Googleドキュメントの共有とは? 基本のしくみ
Googleドキュメントは、ファイルを送り合うのではなく、1つのドキュメントを、決めた人だけが開けるようにするしくみです。ライターが書いている途中の原稿を、発注者がそのまま見たり、コメントを付けたりできます。メールでファイルを送り合うと、「どれが最新版か分からない」ということが起きますが、共有なら、いつも同じドキュメントを見ることになります。
共有の設定は、大きく2つの組み合わせで決まります。
- 誰に共有するか:メールアドレス(Googleアカウント)を指定した人だけか、リンクを知っている人全員か
- 何をしてよいか:見るだけか、コメントもできるか、編集もできるか
この2つを正しく選ぶことが、ライターとの共有で情報漏れを防ぐいちばんの基本です。
3つの権限の違い
Googleドキュメントの権限は、次の3つです。
| 権限 | できること | ライターとの共有での使い方 |
|---|---|---|
| 閲覧者 | 見るだけ | 参考資料、執筆マニュアル、過去の記事 |
| 閲覧者(コメント可) | 見る、コメントを付ける、提案モードで修正を提案する | 確認だけをする社内の人、監修者 |
| 編集者 | 見る、コメント、編集、ほかの人への共有(設定による) | 原稿を書くライター、編集の担当者 |
ライターに原稿を書いてもらうなら、そのドキュメントは「編集者」で共有します。一方、執筆マニュアルや構成案のように、ライターに書き換えてほしくない資料は「閲覧者」で共有します。原稿を確認して修正を伝えるだけの人は「閲覧者(コメント可)」にすると、本文を直接書き換えずに、コメントや提案で修正を伝えられます。提案の使い方はGoogleドキュメントの提案モードの使い方の記事で説明しています。
「オーナー」はもう1つの立場
権限の3つとは別に、ドキュメントを作った人は「オーナー」になります。オーナーは、ドキュメントを削除したり、ほかの人の権限を変えたりできます。誰がオーナーになるかは、情報の管理で大事な点なので、あとで詳しく説明します。
「制限付き」と「リンクを知っている全員」の違い
共有の画面には、「一般的なアクセス」という欄があります。ここで選べるのは、主に次の2つです(会社や学校のアカウントでは、組織の中の人に限る選択肢もあります)。
- 制限付き:追加したメールアドレスの人だけが開ける
- リンクを知っている全員:リンク(URL)を知っていれば、誰でも開ける
「リンクを知っている全員」は、Googleアカウントを持っていない人にも見せられて便利ですが、リンクが転送されたり、どこかに貼られたりすると、知らない人にも見られてしまいます。しかも、誰が見たのかを後から確かめにくくなります。
「リンクを知っている全員」+「編集者」は特に危険
「リンクを知っている全員」で「編集者」の権限にすると、リンクを知った人なら誰でも原稿を書き換えたり、消したりできてしまいます。チャットやメールでリンクを送ったつもりが、ほかの人にも届いていた、ということも起こります。ライターとの共有では、この組み合わせは使わないでください。
ライターとの共有では、「制限付き」にして、ライターのメールアドレスを追加するのが基本です。ライターがGoogleアカウントを持っていない場合は、Gmail以外のメールアドレスでもGoogleアカウントを作れるので、作ってもらうようにお願いします。
ライターと共有する手順
共有の方法は、ドキュメントを1つずつ共有する方法と、フォルダごと共有する方法の2つがあります。
ドキュメントを1つずつ共有する
- 共有したいGoogleドキュメントを開く
- 画面右上の「共有」ボタンを押す
- 「ユーザー、グループ、カレンダーの予定を追加」のような入力欄に、ライターのメールアドレスを入れる
- 右側の権限の欄で「編集者」を選ぶ
- 必要なら、ライターへのメッセージを書く(「〇〇の記事の原稿をお願いします。締め切りは〇日です」など)
- 「送信」を押す
- 「一般的なアクセス」が「制限付き」になっていることを確かめる
ライターには、共有されたことを知らせるメールが届きます。ライターは、そのメールのリンクから、ドキュメントを開いて書き始められます。
フォルダごと共有する
記事を何本も頼むライターには、Googleドライブのフォルダごと共有すると便利です。
- Googleドライブで「新規」→「新しいフォルダ」を選び、ライター用のフォルダを作る(例:「ライターA_原稿」)
- 作ったフォルダを右クリックし、「共有」を選ぶ
- ライターのメールアドレスを入れ、「編集者」を選んで送信する
- そのフォルダの中に、記事ごとのドキュメントを作る
フォルダごと共有すると、そのフォルダの中に作ったドキュメントは、自動でライターも開けるようになります。記事ごとに共有の操作をする必要がなく、共有の付け忘れも防げます。
ライターごとに、フォルダを分ける
複数のライターに頼むなら、1つのフォルダをみんなで使うのではなく、ライターごとにフォルダを分けてください。1つのフォルダにまとめると、ライター同士がお互いの原稿や報酬の資料を見られてしまうことがあります。マニュアルや構成案など、全員に見せる資料は、別の「共通資料」のフォルダに入れ、「閲覧者」で共有します。
フォルダの分け方の例
ライターとの共有で使いやすいフォルダの分け方の例です。
| フォルダ | 共有する人 | 権限 | 入れるもの |
|---|---|---|---|
| 共通資料 | すべてのライター | 閲覧者 | 執筆マニュアル、表記のルール、原稿のテンプレート |
| ライターA_原稿 | ライターAだけ | 編集者 | ライターAの原稿、構成案 |
| ライターB_原稿 | ライターBだけ | 編集者 | ライターBの原稿、構成案 |
| 公開済み | 社内だけ | ー | 公開が終わった原稿の保管 |
| 社内用 | 社内だけ | ー | 報酬の管理表、発注の一覧、未公開の企画 |
執筆マニュアルの作り方はライター向けの執筆マニュアルのテンプレートの記事、構成案の渡し方は記事の構成案テンプレートの記事で紹介しています。
誰がオーナーになるかに注意する
見落としがちなのが、ドキュメントのオーナー(持ち主)が誰になるかです。
個人のGoogleアカウントでは、共有されたフォルダの中でも、ドキュメントを「作った人」がオーナーになります。つまり、ライターが自分でドキュメントを作ると、オーナーはライターです。オーナーはドキュメントを削除できるので、契約が終わったあとに原稿が消えたり、発注者が開けなくなったりするおそれがあります。
オーナーの問題を避けるには、次の方法があります。
- ドキュメントは発注者が作ってから共有する:記事ごとのドキュメント(テンプレートをコピーしたもの)を発注者が作り、ライターを「編集者」で追加する。オーナーは発注者のまま
- 納品のときにオーナーを移してもらう:ライターが作ったドキュメントは、納品のときに、オーナーの権限を発注者に移してもらう(共有の画面で、相手を「オーナー」にする操作をし、相手が承諾すると移る)
- 納品のときにコピーを取る:受け取った原稿を、発注者のアカウントで「コピーを作成」して保管する
- 共有ドライブを使う:有料のGoogle Workspaceの共有ドライブでは、ファイルは個人ではなくチームのものになる
いちばん簡単なのは、発注者がテンプレートからドキュメントを作ってから共有する方法です。原稿の型もそろうので、そのあとの入稿も楽になります。ライターの納品の流れ全体はライターの納品をGoogleドキュメントにする理由の記事で説明しています。
情報漏れを防ぐ設定
共有の画面には、情報漏れを防ぐための細かい設定があります。共有の画面の右上にある歯車のアイコン(設定)から変えられます。
編集者による再共有を止める
初期の設定では、「編集者」の権限を持つ人は、ほかの人にドキュメントを共有したり、権限を変えたりできます。ライターが、手伝いの人やほかの人に原稿を共有できてしまう状態です。
共有の画面の歯車のアイコンを押し、「編集者は権限を変更して共有できます」のような項目のチェックを外すと、ライターがほかの人に共有できなくなります。
閲覧者のダウンロード・印刷・コピーを止める
同じ設定の画面で、「閲覧者と閲覧者(コメント可)に、ダウンロード、印刷、コピーの項目を表示する」のような項目のチェックを外すと、見るだけの人がメニューからダウンロードや印刷、コピーをしにくくなります。執筆マニュアルや、未発表の情報を含む資料に使います。
ただし、この設定でも、画面を写真に撮ったり、手で書き写したりすることは防げません。本当に外に出せない情報は、そもそもライターと共有するドキュメントに書かないのが確実です。
共有する前のチェックリスト
- 「一般的なアクセス」が「制限付き」になっている
- ライターのメールアドレスを、1人ずつ追加している
- ライターには「編集者」、確認だけの人には「閲覧者(コメント可)」を選んでいる
- 編集者による再共有を止めている
- ライターごとにフォルダを分けている
- 報酬の資料や未発表の企画を、ライターと共有するフォルダに入れていない
- ドキュメントのオーナーが、発注者になっている
有効期限を付ける
有料のGoogle Workspaceの一部のプランでは、共有に有効期限を付けられます。期間を決めて頼むライターや、一時的に確認を頼む人には、期限を付けておくと、外し忘れを防げます。使えるかどうかは、使っているアカウントの種類によって違います。
共有でよくあるトラブルと対処
ライターとの共有で、実際によく起きるトラブルと、その対処をまとめます。どれも、最初の設定と、ちょっとしたルールで防げるものです。
| よくあるトラブル | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| ライターが原稿を開けない | 共有したアドレスと、ログイン中のアカウントが違う | 共有したアドレスのアカウントに切り替えてもらう |
| 原稿が知らない人に見られていた | 「リンクを知っている全員」で共有していた | 「制限付き」に変え、必要な人だけを追加し直す |
| 原稿が消えた、開けなくなった | ライターがオーナーで、削除した | 発注者がドキュメントを作ってから共有する |
| 納品後に本文が変わっていた | ライターが編集者のままだった | 納品後は「閲覧者(コメント可)」に変える |
| ほかのライターの原稿が見えていた | 1つのフォルダをみんなで使っていた | ライターごとにフォルダを分ける |
| 契約が終わった人が、まだ開ける | 共有を外し忘れた | 契約の終了時に、共有の一覧を確かめる |
特に多いのが、1つ目の「開けない」です。ライターがブラウザで仕事用と個人用の複数のGoogleアカウントにログインしていると、共有されていないほうのアカウントで開こうとして、「アクセス権が必要です」と表示されます。このとき、ライターが画面の「アクセス権をリクエスト」を押すと、発注者に依頼のメールが届きます。知らないアカウントからの依頼なら、承認せずにライターに確かめてください。
コメントと変更履歴を使ったやりとり
共有の設定ができたら、原稿のやりとりは、できるだけドキュメントの中で完結させると、行き違いが減ります。
コメントで修正を伝える
直してほしい部分を選び、右側に出る「コメントを追加」のボタン(または右クリックのメニュー)からコメントを書きます。コメントの中で「+」に続けてメールアドレスを入れると、その人にコメントを知らせることもできます。ライターが直したら、コメントの「解決」を押すと、コメントが閉じます。チャットやメールで「3段落目の2行目を…」と伝えるより、どこを直すのかが一目で分かります。
変更履歴で、何が変わったかを確かめる
「ファイル」のメニューから「変更履歴」→「変更履歴を表示」を選ぶと、いつ、誰が、どこを変えたかを確かめられます。納品後に本文が変わっていないか、修正の依頼どおりに直っているかを確かめるのに便利です。間違って大きく消してしまった場合も、前の版に戻せます。
共有の設定とやりとりのルールを最初に決めておけば、ライターが増えても、管理の手間はほとんど増えません。
原稿の受け取りから契約終了までの流れ
ライターとの共有は、最初に設定して終わりではありません。原稿のやりとりの段階ごとに、共有の状態を見直します。
執筆中
ライターは「編集者」として原稿を書きます。途中で確認したいときは、発注者がコメントを付けます。書き換えてほしい部分は、本文を直接直すより、コメントや提案モードで伝えたほうが、ライターが修正の意図を理解しやすくなります。
納品と確認
ライターから「書き終わりました」と連絡を受けたら、原稿を確認します。修正のやりとりが終わったら、ライターの権限を「閲覧者(コメント可)」に変えると、納品後に原稿が書き換えられるのを防げます。
入稿
確認が終わった原稿は、WordPressに入稿します。Googleドキュメントの本文をコピーしてWordPressのブロックエディタに貼り、画像を入れ直す方法が一般的です。入稿の方法はGoogleドキュメントをWordPressの記事に変換する方法の記事で比べています。
入稿の手間を減らしたい場合は、ドクポスのようなツールを使う方法もあります。ドクポスは、GoogleドキュメントのURLを貼ると、WordPressの記事を下書き・予約・公開のどれかで作るウェブサービスです。見出し・表・画像・リンクなどをWordPressのブロックに変換し、画像はメディアライブラリにアップロードした状態で入ります。WordPressとはアプリケーションパスワードで接続するので、ライターや外部の人にWordPressのログインのパスワードを渡す必要もありません。
ライターに、原稿の先頭へ「タイトル:」「スラッグ:」「カテゴリ:」「メタディスクリプション:」などを書いてもらうルールにしておくと、ドクポスで作るときに、それらが記事の設定にそのまま入ります。原稿のテンプレートに、この欄をあらかじめ入れておくと、ライターも書き忘れません。文章を書き換えることはなく、ドキュメントに書いたとおりに変換するので、確認が終わった原稿の内容がそのまま記事になります。
契約の終了
ライターとの契約が終わったら、次の手順で共有を外します。
- Googleドライブで、ライター用のフォルダを右クリックし、「共有」を選ぶ
- ライターの名前の右にある権限の欄を押し、「アクセス権を削除」を選ぶ
- 「共通資料」のフォルダからも、同じようにライターを外す
- ライターがオーナーのドキュメントがあれば、オーナーを移してもらうか、コピーを取ってから外す
- 「リンクを知っている全員」になっているドキュメントやフォルダが残っていないかを確かめる
〇〇メディアの共有のルールの例
「原稿のドキュメントは、編集部がテンプレートから作り、ライターを編集者で追加する。一般的なアクセスは必ず制限付き。編集者の再共有は止める。納品と修正が終わったら、ライターの権限を閲覧者(コメント可)に変える。契約が終わったライターは、月末にまとめて共有を外す。」
このように共有のルールを1枚にまとめておくと、担当者が変わっても同じ管理ができます。
よくある質問
ライターがGoogleアカウントを持っていない場合は、どうすればいいですか?
Gmail以外のメールアドレスでも、Googleアカウントは無料で作れます。ライターに作ってもらい、そのメールアドレスで共有してください。アカウントがない人と「リンクを知っている全員」で共有するのは、情報漏れの心配があるので避けましょう。
共有したのに、ライターが「アクセス権がありません」と表示されると言っています。
共有したメールアドレスと、ライターがログインしているGoogleアカウントが違うことがよくあります。ブラウザで複数のGoogleアカウントにログインしている場合は、右上のアカウントのアイコンから、共有されたアカウントに切り替えてもらってください。
誰がドキュメントを見たかを確かめられますか?
「ファイル」のメニューの「変更履歴」から、誰がいつ編集したかを確かめられます。誰が見たかを確かめる機能は、アカウントの種類によって使えるかどうかが違います。見た人を確実に管理したいなら、共有する人を最小限にしておくのが確実です。
ライターに、ほかの記事の原稿を見せないようにするには?
ライターごとにフォルダを分け、それぞれのライターには自分のフォルダだけを共有します。全員に見せる資料は、別の共通のフォルダに入れ、「閲覧者」で共有します。
契約が終わったライターの共有を外すと、原稿は消えますか?
発注者がオーナーのドキュメントなら、ライターの共有を外しても原稿は残ります。ライターがオーナーのドキュメントは、ライターが削除すると発注者も開けなくなるので、外す前にオーナーを移してもらうか、コピーを取っておいてください。
WordPressのアカウントも、ライターに渡したほうがいいですか?
入稿まで頼む場合を除き、ライターにWordPressのアカウントを渡す必要はありません。原稿はGoogleドキュメントで受け取り、入稿は社内で行うほうが、WordPressの権限の管理が簡単になります。
スマートフォンからでも共有の設定はできますか?
Googleドキュメントのアプリでも、共有の相手を追加したり、権限を変えたりできます。ただ、歯車の詳しい設定や、フォルダの共有の確認は、パソコンの画面のほうが分かりやすいので、最初の設定はパソコンで行うのがおすすめです。
まとめ
Googleドキュメントをライターと共有する方法をまとめます。
この記事のまとめ
- ライターとの共有は「制限付き」にして、メールアドレスを指定する
- ライターには「編集者」、確認だけの人には「閲覧者(コメント可)」、資料は「閲覧者」
- 「リンクを知っている全員」+「編集者」の組み合わせは使わない
- ライターごとにフォルダを分け、ドキュメントは発注者が作ってから共有するとオーナーの問題が起きない
- 歯車の設定で、編集者の再共有と、閲覧者のダウンロード・印刷・コピーを止める
- 契約が終わったら、すべてのフォルダから共有を外し、残っているリンク共有を確かめる
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