Rank MathのローカルSEO設定|店舗・事務所の構造化データを無料版で正しく出す手順【816サイトの調査つき】
公開日: / 更新日: / カテゴリ: WordPress / 執筆: エラバレル

「Rank Mathを入れたけれど、ローカルSEOの設定がどこにあるか分からない」「入力したのに、構造化データに住所や営業時間が出ていない」。WordPressで店や事務所のホームページを作っている方から、こうした相談をよく受けます。
先に結論をお伝えします。Rank Math(ランクマス)は、無料版のまま、店舗や事務所の住所・電話番号・営業時間・業種を構造化データに出せるSEOプラグインです。ただし、「Local SEO & Knowledge Graph」の機能をオンにして、入力欄を最後まで埋めないと出力されません。
選ばれるAI診断が22業種・2,296の公式サイトを診断したところ、97%のサイトで、運営者の情報が構造化データに十分入っていませんでした。どのSEOプラグインを使っていても、設定を最後まで埋めていないサイトがほとんどです。
この記事では、ローカルSEOの設定がなぜ大事なのかを調査の数字で示したうえで、Rank Mathで店や事務所の情報をAIや検索エンジンに正しく伝える手順を、入力欄ごとに説明します。
この記事でわかること
- ローカルSEOと構造化データとは何か、AI検索にどう関係するか
- 816サイトで分かった、SEOプラグイン別の「運営者の情報が十分なサイト」の割合
- Rank Mathの無料版で出せる情報と、有料版が必要なもの
- ローカルSEOを有効にして、入力欄を埋める手順(業種ごとの型の選び方つき)
- 公式SNSのURLの入れ方と、出力の確認方法
- よくある失敗と、他のSEOプラグインから乗り換えるときの注意
Rank MathのローカルSEOとは?
Rank Mathは、WordPressのSEOプラグイン(検索対策の設定をまとめて行える追加機能)のひとつです。その中の「Local SEO & Knowledge Graph(ローカルSEOとナレッジグラフ)」は、店や事務所の基本情報を入力すると、それを構造化データとしてホームページに出力する機能です。
構造化データとは、「この店の名前は〇〇、住所は〇〇、電話番号は〇〇」という情報を、検索エンジンやAIが間違いなく読み取れる決まった書式(schema.orgという共通の語彙)で書いたものです。人が見る画面には表示されず、ページの裏側(HTMLの中)に入ります。
「ローカルSEO」と「ナレッジグラフ」の意味
ローカルSEOは、「〇〇市の歯医者」のように、地域で探される検索に向けた対策のことです。ナレッジグラフは、Googleが持っている「会社・人・場所などの情報のつながり」のデータベースのことです。Rank Mathでは、この2つに関わる設定が1つの画面にまとまっています。
なぜローカルSEOの設定が大事なのか
ChatGPTやGoogleのAIによる概要が「〇〇市のおすすめの〇〇」と聞かれたとき、候補に挙げる店や事務所は、場所・業種・連絡先がはっきり分かるところです。文章だけでも伝わりますが、構造化データがあると、機械が迷わずに読み取れます。
特に大事なのは、同じ名前の別の店と区別することです。「〇〇整骨院」という名前の院は全国にいくつもあります。住所・電話番号・公式SNSのURLを構造化データで出しておくと、AIが「岐阜市の〇〇整骨院」と「名古屋市の〇〇整骨院」を取り違えにくくなります。
もう一つの理由は、情報の食い違いを防ぐことです。ホームページ、Googleビジネスプロフィール、予約サイト、SNSで、住所や営業時間の書き方がばらばらだと、AIはどれが正しいのか判断できません。構造化データで「公式の情報はこれです」と示しておくことが、取り違えと食い違いの両方を防ぐ近道です。
SEOプラグイン別、運営者の情報が十分なサイトの割合
選ばれるAI診断は2026年9〜10月に、税理士事務所・整体院・工務店・歯科医院・クリニック・美容室・行政書士事務所の公式サイト816件を調べました。AIが運営者を確かめる6種類の情報(名称・URL・ロゴまたは画像・所在地または連絡先・説明文・公式SNSのリンク)のうち、5種類以上がそろっていたサイトの割合を、使っているSEOプラグインごとに比べると、次のとおりでした。
| 使っているSEOプラグイン | サイト数 | 運営者の情報が十分(6種類中5種類以上) |
|---|---|---|
| All in One SEO | 198 | 18% |
| Yoast SEO | 53 | 6% |
| SEO SIMPLE PACK | 36 | 3% |
| Rank Math | 5 | 1件 |
| SEOプラグインなし(WordPress) | 200 | 6% |
| WordPress以外 | 325 | 9% |
| 全体 | 816 | 10% |

Rank Mathを使っていたサイトは5件と少なく、割合を比べられるほどの数ではありません。ただ、5件とも運営者の構造化データは出ていて、うち2件は AccountingService(会計事務所)や LegalService(法律関係の事務所)など、業種の型まで出していました。業種の型を選べる設定があるためです。
どのプラグインでも、十分な状態のサイトは少数でした。差をつけているのは、プラグインの種類より、設定画面を最後まで埋めたかどうかです。
22業種・2,296サイトの再診断の結果
- 運営者の情報が構造化データに十分入っていない(不足・一部不足):97%
- ページの内容の種類が、構造化データで伝わっていない:91%
- 構造化データ(JSON-LD)そのものがない:59%
- 平均点は、WordPressのサイト(1,134件)が58.9点、WordPress以外(1,162件)が49.5点
WordPressのサイトのほうが平均点は高いものの、WordPressであれば自動で整うわけではありません。プラグインを入れたあと、設定画面を埋める作業が必要です。
Rank MathのローカルSEOで出せる情報
| 項目 | Rank Math(無料) | 構造化データでの名前 |
|---|---|---|
| 個人か組織か | ○ | Person / Organization |
| 事業の名前 | ○ | name |
| 業種(ビジネスの種類) | ○ | @type(AccountingService、Dentist など) |
| 住所 | ○ | address |
| 地図の座標 | ○ | geo |
| 電話番号 | ○ | telephone |
| 営業時間 | ○ | openingHoursSpecification |
| 価格帯 | ○ | priceRange |
| ロゴ・URL・メール | ○ | logo / url / email |
| 公式SNSのURL | ○(別の画面) | sameAs |
| 複数の店舗 | 有料版(PRO) | — |
店舗が1つなら、無料版で必要な情報はすべて出せます。All in One SEOやYoast SEOでは、店舗向けの情報(営業時間など)を出すのに有料版や追加の機能が必要になることがあるので、無料で済ませたい小さな店や事務所には、Rank Mathは使いやすい選択肢です。
AIが運営者を確かめる6種類の情報
名称・URL・ロゴまたは画像・所在地または連絡先・説明文・公式SNSのリンクの6つです。Rank MathのローカルSEOの画面と、ソーシャルメタの画面を両方埋めると、この6つがすべてそろいます。どれか1つでも空欄だと「一部不足」になるので、最後の1つまで埋めてください。
設定の手順
ここからは、実際の設定の手順です。始める前に、次のものを手元に用意しておくと、途中で止まらずに済みます。
始める前に用意するもの
- 正式な店名・事務所名(キャッチコピーを含まないもの)
- 郵便番号から番地までの住所(ホームページやGoogleビジネスプロフィールと同じ表記)
- 電話番号と、曜日ごとの営業時間
- ロゴ画像(112×112ピクセル以上、正方形に近いもの)
- 公式SNS(Instagram・Facebook・X・YouTubeなど)のURL
- 事業の説明文(何の事業か・どこで・誰がやっているかを1〜2文)
1. ローカルSEOの機能を有効にする
WordPressの管理画面 → Rank Math → ダッシュボード(モジュール) を開き、「Local SEO & Knowledge Graph(ローカルSEOとナレッジグラフ)」をオンにします。オフのままだと、次の手順の設定画面そのものが表示されません。
2. ローカルSEOの設定画面を開く
Rank Math → タイトルとメタ → ローカルSEO を開きます(英語表示では Titles & Meta → Local SEO)。設定画面に項目が少ししか出ない場合は、Rank Mathの設定が「簡単モード」になっていることがあります。ダッシュボードの右上で「詳細モード」に切り替えると、すべての項目が表示されます。
3. 入力欄を上から埋める
| 設定項目 | 入れる内容 | 注意 |
|---|---|---|
| 個人または組織 | 店・事務所・会社なら「組織」 | 屋号を出さない個人は「個人」 |
| ウェブサイト名 | サイトの名前 | 店名と同じでよい |
| 事業名 | 正式な店名・事務所名 | キャッチコピーを入れない |
| 事業の種類 | 業種に近いもの(Dentist、HairSalon、AccountingService など) | 合うものがなければ LocalBusiness |
| 説明 | 何の事業か・どこで・誰がやっているかを1〜2文 | AIが運営者を理解する材料 |
| 住所 | 郵便番号・都道府県・市区町村・番地・国(JP) | ホームページの表記と同じに |
| 地図の座標 | 緯度, 経度 | Googleマップで場所を右クリックすると表示される |
| 電話番号 | 国番号つき(+81-58-000-0000) | 種類(代表・予約など)も選べる |
| 価格帯 | 「カット4,400円〜」「月額1万円〜」など | 短く |
| 営業時間 | 曜日ごとの開始・終了 | 定休日は入れない |
| ロゴ | 112×112ピクセル以上の正方形に近い画像 | |
| URL・メール | ホームページのURL、問い合わせ用のメール | |
| 会社概要・問い合わせのページ | それぞれのページを選ぶ |
業種ごとの「事業の種類」の選び方
「事業の種類」は、構造化データの @type(型)になります。schema.orgには、業種ごとに細かい型が用意されています。主な業種の目安は次のとおりです。
| 業種 | 選ぶ型の例 |
|---|---|
| 税理士事務所・会計事務所 | AccountingService |
| 行政書士・社会保険労務士・法律事務所 | LegalService |
| 歯科医院 | Dentist |
| 内科などのクリニック・整形外科・眼科 | MedicalClinic |
| 動物病院 | VeterinaryCare |
| 美容室 | HairSalon |
| ネイルサロン | NailSalon |
| エステサロン | BeautySalon |
| 不動産会社 | RealEstateAgent |
| 工務店・リフォーム | GeneralContractor(または HomeAndConstructionBusiness) |
| 自動車整備 | AutoRepair |
| 中古車販売店 | AutoDealer |
| 保険代理店 | InsuranceAgency |
| 旅館・ホテル | LodgingBusiness(ホテルなら Hotel) |
一覧に近いものがない場合は、いちばん大きな分類の LocalBusiness を選べば問題ありません。業種の型の詳しい一覧は、LocalBusinessの種類の一覧の記事とLocalBusinessの構造化データの書き方の記事にまとめています。
説明文の書き方の例
よくない例:「地域No.1の整体院! 根本改善ならおまかせください」
よい例:「〇〇整体院は、岐阜市〇〇町にある整体院です。腰痛・肩こり・産後の骨盤の不調を中心に、柔道整復師の〇〇〇〇が施術しています。」
ポイント:宣伝の言葉ではなく、「何の事業か」「どこで」「誰が」を事実で書きます。AIは、この説明文を運営者を理解する材料として使います。
4. 営業時間を正しく入れる
営業時間は、曜日ごとに「開始」と「終了」を入れます。昼休みがある場合は、同じ曜日に午前と午後の2つの枠を作ります。定休日は入れずに空けておけば、休みとして扱われます。祝日や年末年始の臨時休業は、ここではなく、ホームページのお知らせとGoogleビジネスプロフィールで知らせてください。書き方の考え方は構造化データの営業時間の書き方の記事で説明しています。
5. 公式SNSのURLを入れる
Rank Math → タイトルとメタ → ソーシャルメタ に、Facebook・X などのURLを入れる欄があります。InstagramやYouTubeなど、欄がないものは「追加のプロフィール」の欄に1行ずつ入れます。これが構造化データの sameAs になり、AIが「同じ名前の別の店」と区別する手がかりになります。sameAsの考え方はsameAsの記事で詳しく説明しています。
6. 保存して確認する
保存したら、Googleの「リッチリザルト テスト」にトップページのURLを入れて、「ローカル ビジネス」または「組織」が検出され、住所・電話・営業時間が入っているか確認します。確認のしかたは構造化データの確認方法の記事で詳しく説明しています。
キャッシュ(表示を速くするために、ページを一時保存しておく仕組み)のプラグインを使っている場合は、キャッシュを消してから確認してください。古いページが表示されたままで、設定が反映されていないように見えることがあります。
選ばれるAI診断でも、6種類の情報がいくつ入っているかを確かめられます。URLを入れるだけで、22項目の判定と理由を無料で確認できます。
自分のサイトを、無料で診断するよくある失敗
| 失敗 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| モジュールをオンにしていない | 設定画面そのものが出ない | ダッシュボードのモジュールで「Local SEO & Knowledge Graph」をオンに |
| 事業の種類を選んでいない | 一般的な Organization になり、営業時間などが活きない | 業種に近い型を選ぶ |
| 事業名にキャッチコピーを入れた | 「〇〇市の整体なら〇〇」が運営者の名前になる | 正式な店名だけにする |
| 住所の表記がホームページと違う | どちらが正しいかAIが迷う | ホームページ・Googleビジネスプロフィールと同じ表記に |
| テーマも運営者の構造化データを出している | 運営者の情報が二重になる | テーマ側をオフにするか、名前・URL・ロゴをそろえる |
| 他のSEOプラグインと一緒に入れている | 構造化データやメタタグが二重になる | SEOプラグインは1つに |
「二重の出力」は気づきにくい
WordPressのテーマの中には、独自に運営者の構造化データを出すものがあります。Rank Mathでも出すと、名前やロゴが違う2つの運営者情報が並び、どちらが正しいのかAIが判断できなくなります。リッチリザルト テストで「組織」や「ローカル ビジネス」が2つ以上検出されたら、テーマの設定を確認してください。
他のSEOプラグインから乗り換えるべき?
今使っているプラグインで、運営者の情報を最後まで入れられるなら、乗り換える必要はありません。All in One SEOやYoast SEOでも、足りない店舗の情報はコードを1つ足せば補えます(Yoast SEOの構造化データ設定の記事、SEO SIMPLE PACKの構造化データ設定の記事も参考にしてください)。
乗り換えを考えてよいのは、次のような場合です。
- 無料で、住所・営業時間・業種まで設定画面から出したい
- コードを貼るのに抵抗がある
乗り換えるときは、前のSEOプラグインの設定(タイトル・説明文など)を引き継げる「インポート」の機能を使い、前のプラグインは停止して削除します。二重に入れたままにしないでください。
| 乗り換えの手順 | やること |
|---|---|
| 1. バックアップ | サーバーやプラグインの機能で、サイト全体のバックアップを取る |
| 2. Rank Mathを入れる | 設定ウィザードの途中で、前のプラグインの設定のインポートを選ぶ |
| 3. 前のプラグインを止める | 停止して、問題がなければ削除する |
| 4. ローカルSEOを設定する | この記事の手順で入力欄を埋める |
| 5. 確認する | リッチリザルト テストで、運営者の情報が1つだけ出ているか見る |
よくある質問
Rank Mathの無料版でローカルSEOは使えますか?
使えます。店舗が1つなら、住所・電話番号・営業時間・業種の型まで、無料版で構造化データに出せます。複数の店舗を別々に登録する機能は有料版(PRO)です。
構造化データを入れれば、Googleマップの順位は上がりますか?
Googleマップ(地図の枠)の順位は、主にGoogleビジネスプロフィールの情報と口コミで決まります。構造化データは、ホームページ側の情報を正確に伝えるためのものです。ビジネスプロフィールと同じ内容をそろえておくことが大事です。
個人事業主で、自宅の住所を出したくありません。
番地を入れずに、都道府県と市区町村だけにできます。ホームページで公開している範囲の住所だけを入れてください。
業種に合う型が一覧にありません。
いちばん大きな分類の LocalBusiness を選んでください。型が細かく合っていなくても、名前・住所・電話・説明文がそろっていれば、運営者の情報としては十分に伝わります。
設定したのに、リッチリザルト テストで住所が出てきません。
モジュールがオンになっているか、「個人または組織」で「組織」を選んでいるか、キャッシュを消したかを確認してください。それでも出ない場合は、テーマやほかのプラグインが構造化データを上書きしていないかを確かめます。
構造化データを入れると、すぐAIに紹介されますか?
すぐには変わりません。検索エンジンやAIのクローラーがページを読み直してから反映されます。また、紹介されるかどうかは、質問に答える文章や口コミなど、ほかの要素も合わせて決まります。構造化データは、その土台です。
まとめ
Rank MathのローカルSEOは、小さな店や事務所が無料で運営者の情報を整えるのに向いた機能です。
この記事のまとめ
- Rank Mathは、無料版で店舗・事務所の住所・電話・営業時間・業種を構造化データに出せる
- 「Local SEO & Knowledge Graph」をオンにし、「タイトルとメタ → ローカルSEO」を上から埋める
- 事業の種類(業種の型)と説明文、公式SNSのURLまで入れて、6種類の情報をそろえるのがポイント
- 816サイトの調査では、どのSEOプラグインでも運営者の情報が十分なサイトは少数。差がつくのは、設定を最後まで埋めたかどうか
- 22業種・2,296サイトの再診断では、97%のサイトで運営者の構造化データが不足していた
- 保存したら、リッチリザルト テストで出力を確かめ、二重の出力がないかも見る
設定が終わったら、自分のサイトに6種類の情報がそろったかを確かめてください。選ばれるAI診断なら、URLを入れるだけで、22項目の判定と理由を無料で確認できます。
自分のサイトを、無料で診断する参考にした資料
- Local SEO(Rank Math ナレッジベース)
- ローカル ビジネス(LocalBusiness)の構造化データ(Google 検索セントラル)
- LocalBusiness(schema.org)
調査の方法:2026年9〜10月、選ばれるAI診断で診断した7業種の公式サイト816件のトップページを取得し、HTMLの中の目印からSEOプラグインを判定したうえで、JSON-LDの構造化データを解析しました。項目ごとの不足の割合と平均点は、2026年10月2日に見直した採点基準で、22業種の公式サイト2,296件を再診断した結果です。個別のサイト名は公開していません。