不動産会社のLLMO対策|124社のホームページを診断して分かった、AIに選ばれるための直し方【免許番号・対応エリア・構造化データ】
公開日: / 更新日: / カテゴリ: 業種別の調査 / 執筆: エラバレル

「〇〇駅の近くで、子育てしやすい賃貸を扱っている不動産会社は?」「実家を売りたい。〇〇市で査定が得意な会社は?」。住まいの相談を、ChatGPTやGoogleのAIによる概要にする人が増えています。AIが答えるときに材料にするのは、会社の公式ホームページ、Googleビジネスプロフィール、口コミ、不動産のポータルサイトです。
先に結論をお伝えします。地元の不動産会社がAIに選ばれるには、物件の数ではなく「どの地域の、どんな相談に強い、正規の免許を持った会社か」を、ホームページとAIが読める形(構造化データ)の両方で伝えることが近道です。
選ばれるAI診断は2026年10月、全国の不動産会社の公式ホームページ124社を診断しました。平均は100点満点中53.4点で、22業種の全体平均(54.1点)をわずかに下回りました。特に弱かったのは構造化データの分野で、平均は11点でした。
この記事では、不動産会社のホームページがAIに選ばれにくい理由を調査の数字で示し、今日からできる直し方を、文例とコードつきでまとめます。
この記事でわかること
- 不動産会社のLLMO対策とは何か、AIにどんな質問がされるか
- 124社の診断結果(平均点・判定・分野ごとの点数・多かった不足)
- 免許番号・対応エリア・金額など、不動産会社ならではの掲載状況
- 書いている会社ほど点数が高い項目
- 今日からできる5つの直し方(RealEstateAgentの構造化データつき)
- 不動産向けのシステムでホームページを作っている場合の確認ポイント
不動産会社のLLMO対策とは?
LLMO対策(AIO対策、AI検索対策とも呼ばれます)は、ChatGPTやGoogleのAIによる概要などが回答を作るときに、自分の会社を正しく読み取り、候補や出典として挙げてもらうための対策です。LLMOは「Large Language Model Optimization(大規模言語モデル最適化)」の略です。
不動産の場合、AIには次のような質問がされます。
- 「〇〇市で、売却の査定を頼める地元の不動産会社は?」
- 「〇〇駅周辺の賃貸に強い不動産屋を教えて」
- 「相続した空き家の売却に詳しい不動産会社は?」
- 「〇〇不動産の営業時間と定休日は?」
物件の情報は、大手のポータルサイトのほうが圧倒的に多く持っています。地元の不動産会社がAIに選ばれるには、物件そのものより「どの地域の、どんな相談に強い会社か」「本当に免許を持った会社か」を、ホームページではっきり伝えることが大事です。
SEO対策とどう違うのか
従来のSEO(検索エンジン最適化)は「検索結果の上位に表示されること」を目指します。LLMO対策は「AIの回答の中で紹介されること」を目指します。とはいえ、やることの土台は共通です。
| 目的 | SEO対策 | LLMO対策 |
|---|---|---|
| 目指すこと | 検索結果で上位に出る | AIの回答で紹介・引用される |
| 大事な情報 | キーワード、ページの質、被リンク | 運営者の情報、質問への答え、構造化データ |
| 不動産会社で効くこと | 地域名+物件種別のページ | 対応エリア・得意分野・免許番号を明確にする |
| 共通する土台 | クローラーが読める状態、正しい会社情報、分かりやすい見出し | 同じ |
「構造化データ」とは?
会社名・住所・電話番号・営業時間などを、AIや検索エンジンが間違いなく読み取れる決まった書式(JSON-LD)で書いたものです。ページの見た目は変わりませんが、AIにとっては「この会社の正式な情報」として扱いやすくなります。
124社を診断した結果
平均53.4点。22業種の全体平均をわずかに下回る
| 業種 | 調べた数 | 平均点 |
|---|---|---|
| 工務店 | 63 | 62.6 |
| 歯科医院 | 52 | 62.1 |
| 外壁塗装 | 82 | 61.5 |
| 税理士事務所 | 113 | 60.1 |
| クリニック | 133 | 59.2 |
| 整体院 | 108 | 58.7 |
| 社会保険労務士 | 106 | 57.9 |
| 行政書士 | 279 | 56.7 |
| 葬儀社 | 138 | 56.5 |
| 不動産会社 | 124 | 53.4 |
| 保険代理店 | 51 | 53.4 |
| 英会話教室 | 56 | 53.0 |
| 眼科 | 77 | 51.4 |
| 学習塾 | 116 | 51.2 |
| 自動車整備 | 112 | 50.6 |
| 整形外科 | 45 | 50.2 |
| 中古車販売店 | 120 | 50.0 |
| エステサロン | 63 | 49.6 |
| 動物病院 | 128 | 49.6 |
| ネイルサロン | 148 | 49.3 |
| 美容室 | 78 | 48.5 |
| 旅館・ホテル | 119 | 45.7 |
| 22業種の全体 | 2,296 | 54.1 |
不動産会社は22業種の中で10番目(保険代理店と同点)でした。下のグラフは、採点基準を見直す前に10業種を比べたものです。点数の水準は今より高めですが、業種の並び方の参考にしてください。

判定の内訳は、A判定1%、B判定4%、C判定44%、D判定51%でした。半分の会社がD判定(55点未満)です。
不動産会社124社の診断結果
- 平均点は53.4点(中央値54点)。22業種の全体平均は54.1点
- 80点以上の会社は1.6%、70点以上でも6.5%
- 判定はA 1%・B 4%・C 44%・D 51%
- WordPressで作られたサイトは34社(27%)で平均57.6点、それ以外の90社は平均51.8点
分野ごとの点数:構造化データが11点
| 分野 | 平均点 | 意味 |
|---|---|---|
| AIに読んでもらえるか | 96点 | ほとんどの会社は問題なし |
| 技術の土台 | 80点 | HTTPS(鍵マーク)でない会社が14% |
| 運営者の信頼性 | 77点 | 会社概要は比較的そろっている |
| AIが引用しやすい書き方 | 40点 | 質問に答える形の文章が少ない |
| 構造化データ | 11点 | 22業種の中でも下から4番目 |
不動産会社のホームページは、会社概要(所在地・免許・代表者)は比較的しっかり書かれている一方、それをAIが読める形(構造化データ)で伝えている会社がほとんどありませんでした。WordPressで作られたサイトが27%と少なく、不動産向けの専用システムで作られたサイトが多いことも関係していると考えられます。
多かった不足
| 不足していた項目 | 不動産会社(124社) | 22業種の全体 |
|---|---|---|
| 運営者の構造化データが不十分 | 98% | 97% |
| 質問に答える形の見出しが足りない | 96% | 91% |
| ページの内容の種類が、構造化データで伝わっていない | 94% | 91% |
| 見出しの直後に短い答えがない | 85% | 83% |
| 構造化データがない | 71% | 59% |
| SNSで共有されたときの情報(OGP)が足りない | 69% | 61% |
| 見出しの構造(h1・h2)に問題がある | 59% | 53% |
| 言語と正規URLの指定がない | 44% | 41% |
| サイトマップがない | 24% | 17% |
| 本文がプログラムで後から表示され、読めない | 15% | 8% |
| HTTPS(鍵マーク)になっていない | 14% | 12% |
全体と比べると、「構造化データがない」「サイトマップがない」「本文が読めない」が目立って多くなっています。どれも、ホームページを作ったシステムの仕組みに左右されやすい項目です。
また、AIの検索用のクローラーを robots.txt で止めていた会社が4社(3%)ありました。22業種の全体では1%ほどなので、不動産会社で多めに見つかったことになります。ホームページのシステムの初期設定が原因と考えられます。止めていると、そのAIの回答にはホームページが使われません。
不動産会社ならではの特徴
トップページと会社概要・料金のページを確認して、不動産会社に特有の点も数えました。
| 状態 | 社数 | 割合 |
|---|---|---|
| 宅地建物取引業の免許番号が書かれている | 56 / 113 | 50% |
| 物件検索がある | 71 / 113 | 63% |
| 売買を扱っている | 96 / 113 | 85% |
| 賃貸を扱っている | 79 / 113 | 70% |
| 売却査定の案内がある | 32 / 113 | 28% |
| 対応エリアが書かれている | 49 / 113 | 43% |
| 金額(仲介手数料・管理料など)が書かれている | 25 / 113 | 22% |
| よくある質問がある | 38 / 113 | 34% |
書いている会社ほど、点数が高い
診断の点数と組み合わせると、次のような差が出ました。
| 書いているかどうか | 書いている会社の平均点 | 書いていない会社の平均点 |
|---|---|---|
| 金額(仲介手数料・管理料など) | 59.0点 | 50.7点 |
| 売却査定の案内 | 57.8点 | 50.5点 |
| よくある質問 | 55.9点 | 50.9点 |
| 対応エリア | 55.6点 | 50.3点 |
| 免許番号 | 55.1点 | 50.0点 |
これらの項目そのものが診断の点数に入っているわけではありません。ただ、「誰の、どんな相談に応えるか」を書いている会社ほど、ホームページ全体がAIにとって読みやすい形に整っている傾向がありました。
今日からできる直し方
ここからは、調査で多かった不足を、手間の少ない順に直していく方法です。
1. 会社概要に、免許番号と対応エリアを文章で書く
宅建業の免許番号は、ホームページに載せることで「正規に営業している会社」であることの裏付けになります。調査では半分の会社にしか書かれていませんでした。会社概要には、次の項目を文章で書きます。
- 免許番号(「〇〇県知事(3)第〇〇〇〇号」「国土交通大臣(2)第〇〇〇〇号」)
- 代表者名、宅地建物取引士の人数、所属団体(全日本不動産協会・宅建協会など)
- 所在地・電話番号・営業時間・定休日
- 対応エリア(「岐阜市・各務原市・羽島市」のように市区町村名で)
- 得意な分野(売買・賃貸・管理・相続した不動産・土地活用など)
〇〇不動産の会社概要の文例
「〇〇不動産は、岐阜市・各務原市・羽島市を中心に、中古住宅と土地の売買、賃貸の仲介と管理を行う不動産会社です。相続した実家や空き家の売却のご相談を多くいただいています。宅地建物取引業 岐阜県知事(3)第〇〇〇〇号。宅地建物取引士3名。営業時間は9時30分〜18時30分、水曜定休。」
ポイント:地域名・得意分野・免許番号・営業時間を、表だけでなく文章でも書いておくと、AIがそのまま答えに使いやすくなります。
2. 相談の種類ごとに、よくある質問を作る
AIへの質問は「売りたい」「借りたい」「相続した」など、状況から始まります。よくある質問がある会社は34%だけでした。
- 「査定だけでも頼めますか? 費用はかかりますか?」
- 「仲介手数料はいくらですか?」
- 「相続した空き家でも売れますか?」
- 「内見は土日もできますか?」
- 「〇〇市以外の物件も扱っていますか?」
見出しを質問の形にして、すぐ下の1〜2文で答えを書きます。「お気軽にご相談ください」で終わらせず、「査定は無料です。訪問査定は最短翌日にうかがいます」のように、答えを先に書くのがコツです。
よくある失敗
- 質問を書いたのに、答えの最初の文が「ケースによります」で終わっている
- よくある質問のページが画像で作られていて、文字として読めない
- 物件ページばかりが増えて、会社としての説明ページがない
3. 構造化データを入れる(RealEstateAgent)
構造化データは平均11点で、最も伸びしろがある分野です。不動産会社には RealEstateAgent という型があります。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "RealEstateAgent",
"@id": "https://example.com/#business",
"name": "株式会社〇〇不動産",
"url": "https://example.com/",
"logo": "https://example.com/logo.png",
"description": "岐阜市・各務原市の売買・賃貸・管理。相続した不動産の売却相談が得意です。宅地建物取引業 岐阜県知事(3)第〇〇〇〇号。",
"telephone": "+81-58-000-0000",
"address": {
"@type": "PostalAddress",
"postalCode": "500-0000",
"addressRegion": "岐阜県",
"addressLocality": "岐阜市",
"streetAddress": "〇〇町1-2-3",
"addressCountry": "JP"
},
"openingHoursSpecification": [{
"@type": "OpeningHoursSpecification",
"dayOfWeek": ["Monday", "Tuesday", "Thursday", "Friday", "Saturday", "Sunday"],
"opens": "09:30",
"closes": "18:30"
}],
"areaServed": ["岐阜市", "各務原市", "羽島市"],
"sameAs": ["https://www.instagram.com/〇〇/"]
}
</script>
areaServed(対応エリア)と description(得意分野と免許番号)を入れるのがポイントです。会社概要に書いた内容を、そのままAIが読める形にもう一度書く、と考えると分かりやすいでしょう。住所・電話番号・営業時間は、ホームページの会社概要やGoogleビジネスプロフィールと、表記をそろえてください。入力欄に書き込むだけでコードを作れるツールもあります。
書き方の詳細はLocalBusinessの構造化データの書き方の記事、業種ごとの型の選び方はLocalBusinessの型の一覧の記事で説明しています。
4. AIのクローラーを止めていないか確認する
robots.txt(https://自分のドメイン/robots.txt)を開いて、ChatGPT-User、OAI-SearchBot、Claude-SearchBot、PerplexityBot などが Disallow: / になっていないかを見ます。止めてよいのは学習用のクローラーだけです。確認の手順はrobots.txtの確認方法の記事、クローラーの種類はAIクローラー一覧の記事で説明しています。
5. 仲介手数料や管理料など、決まっている金額は書く
物件の価格はポータルにも載っていますが、仲介手数料・管理手数料・査定の費用など「会社として決まっている金額」は、会社のホームページにしか書けない情報です。金額が書かれていた会社は22%だけでしたが、書いている会社の平均点は59.0点と、書いていない会社より8点ほど高い結果でした。
物件の数ではなく「相談先」として選ばれる
AIは「〇〇市で相続した空き家の売却に詳しい会社」のような、条件のついた質問に答えようとします。物件の数ではポータルにかないませんが、地域・得意分野・免許・金額をはっきり書いた会社は、こうした質問の答えの材料になります。
不動産向けのシステムを使っている場合の確認ポイント
調査した不動産会社のうち、WordPressで作られたサイトは27%だけで、多くは不動産向けの専用システムやホームページ作成サービスで作られていました。こうしたシステムでは、自分でコードを入れられないことがあります。システムの会社に、次の点を問い合わせてみてください。
システムの会社に確認すること
- トップページの head(ページの見えない部分)に、JSON-LDの構造化データを入れられるか
- robots.txt で、AIの検索用クローラーを止める設定になっていないか
- サイトマップ(sitemap.xml)を出力しているか
- 物件一覧や会社概要の本文が、最初のHTMLに含まれているか(プログラムで後から表示していないか)
- ページごとにタイトルと説明文を設定できるか
本文がプログラムで後から表示される作りだと、AIのクローラーの多くは中身を読めません。調査では15%の会社が当てはまりました。詳しくはJavaScriptで表示するサイトとAIの記事をご覧ください。
よくある質問
物件情報が多いポータルサイトに、AIで勝てますか?
物件の数では勝てません。ただ、「〇〇市の相続した空き家の売却に詳しい会社」のように、地域と相談の種類を絞った質問では、地元の会社のホームページが答えの材料になります。得意な分野と対応エリアをはっきり書くことが大事です。
物件ページにも構造化データが必要ですか?
小さな会社なら、まず会社の情報(トップページ)の構造化データを整えるのが先です。物件ページは、使っている不動産向けのシステムの機能に合わせて検討してください。
口コミはAIに影響しますか?
影響します。Googleの口コミは、AIが「評判のよい会社」を判断する材料になります。口コミに返信し、ホームページとGoogleビジネスプロフィールの情報(会社名・住所・電話・営業時間)をそろえておきましょう。
免許番号は、ホームページのどこに書けばいいですか?
会社概要のページと、ページの一番下(フッター)の両方に書くのがおすすめです。構造化データの description に入れておくと、AIにも伝わりやすくなります。
仲介手数料を書くと、値引きを求められませんか?
仲介手数料の上限は法律で決まっているため、書いても特別なことにはなりません。それより、査定が無料かどうか、管理料が何%かなど、お客さんが最初に知りたい金額を書いておくほうが、問い合わせの前の不安を減らせます。
Googleビジネスプロフィールとホームページ、どちらを先に整えるべきですか?
両方そろえるのが理想ですが、手間が少ないのはGoogleビジネスプロフィールの説明文です。書き方はGoogleビジネスプロフィールの説明文の記事でまとめています。そのうえで、ホームページの会社概要と表記をそろえてください。
まとめ
不動産会社のLLMO対策で、押さえておきたいことをまとめます。
この記事のまとめ
- 不動産会社の公式ホームページ124社の平均は53.4点。22業種の全体平均(54.1点)をわずかに下回り、半分の会社がD判定だった
- 最も弱い分野は構造化データ(平均11点)。会社概要はあるのに、AIが読める形になっていない
- 免許番号を書いていたのは50%、金額を書いていたのは22%、よくある質問があったのは34%
- 金額・売却査定・よくある質問・対応エリア・免許番号を書いている会社ほど、点数が高かった
- AIの検索用クローラーを止めていた会社が4社(3%)あった。システムの初期設定を確認する
- 会社概要に免許番号・対応エリア・得意分野を書き、相談の種類ごとのよくある質問を作り、RealEstateAgentの構造化データを入れる
今回の124社の診断と同じ方法で、自分の会社のホームページを確かめられます。URLを入れるだけで、22項目の判定と理由を無料で確認できます。登録は不要です。
自分のサイトを、無料で診断する参考にした資料
調査の方法:2026年10月、地図の公開データ(OpenStreetMap)に公式サイトのURLが登録されていた全国の不動産会社から150社を選び、選ばれるAI診断で診断しました。点数・判定・項目ごとの割合は、2026年10月2日に見直した採点基準で再診断した結果です(開けたサイト124社)。免許番号・金額などの項目は、トップページと、そこからリンクされている会社概要・料金のページのHTMLを確認して数えています(113社)。他の業種の数字は、同じ基準で再診断した22業種・2,296件の結果です。公開しているのは集計した数字だけで、個別の会社の名前と点数は公開していません。