WordPressのアプリケーションパスワードとは? 発行手順と、使えないときの確認箇所
公開日: / カテゴリ: WordPress入稿 / 執筆: エラバレル

「外部のツールとWordPressをつなぐのに、アプリケーションパスワードが必要と言われた」「プロフィールの画面を開いたのに、アプリケーションパスワードの欄が見当たらない」。投稿ツールや連携サービスを使い始めるとき、多くの人がここでつまずきます。
先に結論をお伝えします。アプリケーションパスワードは、外部のツールにWordPressを操作させるための「ツール専用の合いかぎ」です。 WordPress 5.6以降に標準で入っている機能で、管理画面の「ユーザー」→「プロフィール」から発行できます。欄が出ない、接続できないときは、HTTPS・プラグイン・サーバーの設定・ユーザーの権限の4か所を順番に確認すると、原因がほぼ見つかります。
この記事では、アプリケーションパスワードの仕組みと発行の手順、うまく使えないときの確認箇所、安全に管理するためのコツまでを、順番に説明します。
この記事でわかること
- アプリケーションパスワードとは何か、ログインパスワードとの違い
- 発行する手順(画面の流れに沿って)
- 外部のツールに入力するときの注意
- 欄が表示されない・接続できないときの確認箇所
- 権限(ユーザーの種類)と、できることの関係
- 安全に使うための管理のしかた
アプリケーションパスワードとは?
アプリケーションパスワードは、外部のアプリやサービスが、WordPressのREST APIを使って記事の作成などを行うときに使う、専用のパスワードです。REST APIとは、WordPressの外から、決められた形式で記事や画像を読み書きするための窓口のことです。
WordPress 5.6(2020年12月公開)から標準の機能になり、プラグインを入れなくても使えます。WordPressの管理画面では、ユーザーのプロフィールの画面の下のほうに、発行の欄があります。
ログインパスワードとの違い
| 比べる点 | ログインパスワード | アプリケーションパスワード |
|---|---|---|
| 使う場面 | 人が管理画面にログインするとき | 外部のツールがWordPressを操作するとき |
| 管理画面へのログイン | できる | できない |
| 数 | 1ユーザーに1つ | ツールごとに、いくつでも発行できる |
| 取り消し | パスワードを変更する | ツールごとに、個別に取り消せる |
| 自分で決めるか | 自分で決める | WordPressが自動で作る(24文字) |
いちばん大事な違いは、アプリケーションパスワードでは管理画面にログインできないことと、ツールごとに発行して、個別に取り消せることです。
外部のツールにログインパスワードを渡してしまうと、そのツールの運営者や、万一情報が漏れたときに第三者が、管理画面に入れてしまいます。ツールをやめるときも、ログインパスワードを変えなければならず、ほかのツールにも影響が出ます。アプリケーションパスワードなら、ツールごとに合いかぎを作り、不要になったら、その合いかぎだけを無効にできます。
二段階認証を使っていても、連携できる
ログインに二段階認証(スマホのアプリで確認コードを入れるなど)を設定していると、外部のツールはログインパスワードだけでは接続できません。アプリケーションパスワードは、こうした場合でもツールを接続するための仕組みとして用意されています。
アプリケーションパスワードが使われる場面
アプリケーションパスワードは、WordPressの外から記事や画像を扱うツールで広く使われています。代表的なのは次のような場面です。
- 入稿・投稿のツール:GoogleドキュメントやWordなどで書いた原稿を、WordPressの記事として送り込む
- まとめて投稿する仕組み:たくさんの記事を、決まった日時に予約投稿する
- 自作のプログラム:社内のシステムやスプレッドシートから、REST APIで記事を作る
- スマホや別の端末のアプリ:外出先から、下書きを作ったり画像を送ったりする
- ほかのサービスとの連携:問い合わせの管理やSNSの投稿など、WordPressの情報を読み書きするサービス
どの場合も、ツールは「誰として操作するか」をWordPressに伝える必要があります。そのときに、ログインパスワードの代わりに使うのがアプリケーションパスワードです。
以前は、外部のツールとつなぐために、専用のプラグインを入れたり、ログインパスワードをそのまま渡したりする方法が使われていました。標準の機能になったことで、プラグインを増やさず、ログインパスワードも渡さずに連携できるようになりました。新しくツールを使い始めるなら、アプリケーションパスワードで接続できるかを、まず確かめるとよいでしょう。
名前の付け方の例
「ドクポス(2026年10月)」「入稿ツール・外注Aさん用」「社内スプレッドシート連携」のように、どのツールで、誰が使うのかが分かる名前にしておくと、あとで一覧を見たときに、取り消してよいものがすぐ分かります。
アプリケーションパスワードを発行する手順
ここでは、WordPressの標準の画面で発行する手順を説明します。テーマや言語の設定によって、表示が少し違うことがあります。
- WordPressの管理画面にログインします
- 左のメニューから「ユーザー」→「プロフィール」を開きます(管理者が別のユーザーの分を発行する場合は、「ユーザー」→「ユーザー一覧」から、そのユーザーの「編集」を開きます)
- 画面のいちばん下のほうまでスクロールし、「アプリケーションパスワード」の欄を探します
- 「新しいアプリケーションパスワード名」の入力欄に、どのツールで使うか分かる名前を入れます(例:「ドクポス」「投稿ツール」)
- 「新しいアプリケーションパスワードを追加」のボタンを押します
- 4文字ずつ区切られた24文字のパスワードが表示されるので、コピーします
- コピーしたパスワードを、外部のツールの設定画面に貼り付けます
パスワードは、その場でしか表示されない
発行されたパスワードは、画面を閉じると二度と表示されません。コピーし忘れたときは、そのパスワードを取り消して、新しく発行し直してください。メモ帳などに保存したままにせず、ツールに入力したら、メモは消しておくのが安全です。
ツールに入力するときの注意
外部のツールには、ふつう次の3つを入力します。
| 入力する項目 | 入れるもの | よくある間違い |
|---|---|---|
| サイトのURL | WordPressのサイトのURL(例:https://example.com) | 管理画面のURL(/wp-admin/)まで入れてしまう |
| ユーザー名 | WordPressのログインに使うユーザー名 | 画面に表示される「ニックネーム」や「表示名」を入れてしまう |
| アプリケーションパスワード | 発行した24文字 | ログインパスワードを入れてしまう |
パスワードの途中の空白は、入れたままでも、消してもかまいません。WordPressは空白を無視して照合します。
ユーザー名は、プロフィールの画面のいちばん上にある「ユーザー名」の欄で確かめられます。この欄は変更できない灰色の欄で、記事の著者として表示される名前とは違うことがあるので注意してください。
欄が表示されない・接続できないときの確認箇所
アプリケーションパスワードでつまずくのは、主に「発行の欄が出ない」と「発行したのに接続できない」の2つです。次の順番で確認してください。
確認1:サイトがHTTPSになっているか
アプリケーションパスワードは、通信が暗号化されたHTTPS(鍵マーク)のサイトで使うことが前提になっています。HTTPSになっていないサイトでは、発行の欄が表示されないことがあります。
ブラウザのアドレスバーで、サイトのURLが「https://」で始まっているかを確かめてください。また、管理画面の「設定」→「一般」にある「WordPressアドレス」と「サイトアドレス」も「https://」になっているかを見ます。サーバーの管理画面で無料のSSLを有効にする方法は、HTTPS化(SSL)の記事で説明しています。
確認2:プラグインで機能が止められていないか
セキュリティ対策のプラグインの中には、アプリケーションパスワードやREST APIを止める設定を持つものがあります。発行の欄が出ない場合や、接続でエラーが出る場合は、使っているセキュリティ系のプラグインの設定画面で、次のような項目がないか確かめてください。
- アプリケーションパスワードを無効にする
- REST APIへのアクセスを制限する(ログインしていない人を拒否する、など)
- XML-RPCやREST APIをまとめて止める
プラグインの名前や設定の場所はプラグインごとに違うので、プラグインの説明書きも確認してください。
確認3:サーバーの設定で、REST APIが止められていないか
レンタルサーバーによっては、管理画面に「REST APIへのアクセス制限」や「海外からのアクセス制限」のような、セキュリティの設定があります。外部のツールが海外のサーバーから接続する場合などに、この設定で通信が止められることがあります。サーバーの管理画面で、WordPressのセキュリティ設定を確認してください。
また、サイト全体にベーシック認証(ページを開くときに、ブラウザがIDとパスワードを聞いてくる仕組み)をかけていると、外部のツールが接続できないことがあります。公開前のテスト用サイトでよく使われる設定なので、思い当たる場合は確認してください。
確認4:ユーザーの権限が足りているか
アプリケーションパスワードで操作できる範囲は、発行したユーザーの権限と同じです。
- 管理者:すべての記事の作成・公開と、サイトの設定の変更ができる
- 編集者:すべての記事の作成・編集・公開ができる
- 投稿者:自分の記事の作成・公開と、画像のアップロードができる
- 寄稿者:自分の記事の下書きを作れるだけ(公開や画像のアップロードはできない)
- 購読者:記事の作成はできない
「下書きは作れるのに、公開や予約ができない」「画像だけ入らない」という場合は、ユーザーが寄稿者になっている可能性があります。ツールで記事を公開したり、画像をアップロードしたりするなら、投稿者以上の権限が必要です。
接続できないときのチェックリスト
- サイトのURLが「https://」で始まっている
- ツールに入れたURLが、管理画面(/wp-admin/)ではなくサイトのURLになっている
- ユーザー名が、ニックネームではなくログイン用のユーザー名になっている
- ログインパスワードではなく、アプリケーションパスワードを入れている
- セキュリティ系のプラグインで、REST APIやアプリケーションパスワードを止めていない
- サーバーの管理画面で、REST APIへのアクセス制限をかけていない
- サイト全体にベーシック認証をかけていない
- ユーザーの権限が、投稿者以上になっている
エラーの表示から原因を探す
ツールの画面に出るエラーの表示や、WordPressから返ってくる番号(ステータスコード)から、原因の見当をつけられることがあります。ツールによって表示のしかたは違いますが、目安として覚えておくと便利です。
| エラーの表示 | 考えられる原因 | 確認すること |
|---|---|---|
| 401(認証できない) | ユーザー名かパスワードが違う、認証の情報がサーバーで消えている | ユーザー名がログイン用か、アプリケーションパスワードを入れたか、ベーシック認証の有無 |
| 403(許可されていない) | 権限が足りない、セキュリティの設定で拒否されている | ユーザーの権限、プラグインやサーバーのアクセス制限 |
| 404(見つからない) | サイトのURLが違う、REST APIの窓口が止められている | 入力したURL、パーマリンクの設定、REST APIを止めるプラグイン |
| 接続できない・時間切れ | サーバーが外からの通信を拒否している、URLの打ち間違い | サーバーの海外アクセス制限、ファイアウォールの設定 |
401が出る場合、入力した内容が正しくても、サーバーの設定によっては、認証の情報がWordPressまで届かないことがあります。この場合は、使っているレンタルサーバーのマニュアルで「Authorization ヘッダー」や「REST API」について書かれた部分を探すか、サーバーの問い合わせ窓口に相談してください。
404が出る場合は、WordPressのパーマリンクの設定を一度開いて、何も変えずに「変更を保存」を押すと直ることがあります。パーマリンクの設定は、管理画面の「設定」→「パーマリンク」にあります。
REST APIが動いているかを自分で確かめる
ブラウザで、自分のサイトのURLのうしろに「/wp-json/」を付けたアドレスを開いてみてください(例:https://example.com/wp-json/)。文字がたくさん並んだページ(JSONという形式のデータ)が表示されれば、REST APIの窓口は動いています。エラーのページが出る場合や、何も表示されない場合は、プラグインやサーバーの設定でREST APIが止められている可能性があります。
ツールを使うときの実例:ドクポスの場合
エラバレルの「ドクポス」は、GoogleドキュメントのURLを貼ると、WordPressに記事を作るウェブサービスです。WordPressとの接続には、このアプリケーションパスワードを使います。WordPressのログインパスワードは渡しません。
接続の流れは次のとおりです。
- Googleアカウントでドクポスにログインします
- WordPressの「ユーザー」→「プロフィール」で、ドクポス用のアプリケーションパスワードを発行します(名前は「ドクポス」など)
- ドクポスの画面で、サイトのURL・ユーザー名・アプリケーションパスワードを入力して、サイトを登録します
- GoogleドキュメントのURLを貼り、下書き・予約・公開のどれで作るかを選んで投稿します
ドクポスでは、見出し・表・画像・リンク・蛍光ペンなどをWordPressのブロックに変換し、画像はメディアライブラリにアップロードした状態で記事に入れます。SEO欄の書き込みとテーマの検出のための連携プラグインもありますが、入れるかどうかは任意です。複数のWordPressサイトを登録して、サイトごとに別のアプリケーションパスワードを使うこともできます。
ツールごとに、パスワードを分ける
ドクポスに限らず、外部のツールを複数使う場合は、ツールごとに別のアプリケーションパスワードを発行してください。どれか1つのツールをやめるときに、そのパスワードだけを取り消せば済みます。1つのパスワードを使い回さないことが、アプリケーションパスワードを安全に使ういちばんのコツです。
安全に使うための管理のしかた
アプリケーションパスワードは、管理画面にログインできないとはいえ、そのユーザーの権限で記事を作ったり消したりできる、大事な情報です。次の点に気をつけて管理してください。
使わなくなったら、すぐに取り消す
プロフィールの画面の「アプリケーションパスワード」の欄には、発行したパスワードの一覧が表示されます。一覧には、名前・作成日・最後に使われた日などが出るので、使っていないものがないか、ときどき確認しましょう。不要なものは、その行の「取り消す」のボタンで無効にできます。すべてまとめて取り消すボタンもあります。
必要以上の権限で発行しない
記事を下書きで作るだけのツールなら、管理者のアカウントではなく、投稿者や編集者のユーザーで発行することも検討してください。万一パスワードが漏れても、できることが限られます。ツールに渡すのは、必要な権限を持ったユーザーの合いかぎだけにするのが理想です。
外注先にも、ログイン情報ではなくこれを渡す
記事の入稿を外注する場合も、管理者のログイン情報を渡すのではなく、外注先用のユーザーを作るか、外注先が使うツール用のアプリケーションパスワードを発行するほうが安全です。契約が終わったら、ユーザーやパスワードを取り消します。
「最後に使われた日」で、不審な利用に気づける
一覧の「最後に使われた日」が、自分がツールを使っていない日付になっている場合は、パスワードが第三者に使われている可能性があります。すぐに取り消して、新しく発行し直してください。
よくある質問
アプリケーションパスワードは、プラグインを入れないと使えませんか?
WordPress 5.6以降なら、標準の機能として使えます。プラグインは必要ありません。WordPressのバージョンは、管理画面の「ダッシュボード」→「更新」で確かめられます。
発行したパスワードを忘れてしまいました。もう一度見られますか?
見られません。発行したときに一度だけ表示される仕組みです。古いパスワードを取り消して、新しく発行し直し、ツールの設定も入れ直してください。
アプリケーションパスワードで、管理画面にログインできますか?
できません。アプリケーションパスワードは、外部のツールがREST APIなどで操作するためのもので、管理画面のログインには使えません。
発行の欄が見つかりません。どうすればいいですか?
まず、サイトがHTTPSになっているかを確かめてください。次に、セキュリティ系のプラグインで機能が止められていないかを確認します。WordPressのバージョンが5.6より古い場合は、WordPressの更新も必要です。
1つのユーザーで、いくつまで発行できますか?
ツールごとに、必要な数だけ発行できます。どのツール用か分かるように、名前を付けて発行してください。
パスワードを取り消すと、記事は消えますか?
消えません。取り消すと、そのパスワードを使ったツールが接続できなくなるだけで、これまでにツールで作った記事や画像はそのまま残ります。
複数のWordPressサイトを持っている場合は、どうすればいいですか?
アプリケーションパスワードは、サイトごと・ユーザーごとに発行します。サイトAで発行したパスワードは、サイトBでは使えません。複数のサイトをツールにつなぐ場合は、それぞれのサイトの管理画面で発行し、どのサイト用か分かる名前を付けて管理してください。
まとめ
アプリケーションパスワードは、外部のツールとWordPressを安全につなぐための、標準の仕組みです。
この記事のまとめ
- アプリケーションパスワードは、外部のツール専用の合いかぎ。管理画面にはログインできない
- WordPress 5.6以降の標準機能で、「ユーザー」→「プロフィール」の下のほうから発行する
- パスワードは発行したときに一度だけ表示される。ツールには、ログイン用のユーザー名と一緒に入力する
- 欄が出ない・接続できないときは、HTTPS・プラグイン・サーバーの設定・ユーザーの権限の順に確認する
- 記事の公開や画像のアップロードには、投稿者以上の権限が必要
- ツールごとに別のパスワードを発行し、使わなくなったらすぐに取り消す
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