llms-full.txtとは? llms.txtとの違いと、小さな会社のサイトに必要かどうか【472サイトの調査つき】
公開日: / カテゴリ: AI検索対策 / 執筆: エラバレル

「llms.txtのほかに、llms-full.txtというものもあると聞いた」「両方置かないとAIに読まれないのか」。AI検索対策について調べていると、こうした新しいファイルの名前が次々に出てきて、何から手をつければいいのか迷ってしまいます。
先に結論をお伝えします。llms-full.txt は、サイトの大事なページの本文を1つのテキストファイルにまとめた「全文版」です。小さな会社や店のサイトでは、今のところ必須ではありません。作る前に、ページの本文・運営者の情報・構造化データを整えるほうが、AIに選ばれるための効果がはっきりしています。
選ばれるAI診断が472の公式サイトを調べたところ、llms.txt を置いていたのは59件、そのうち All in One SEO が作った42件で llms-full.txt を置いていたサイトは0件でした。
この記事では、llms-full.txt とは何かという基本から、llms.txt との違い、AIが実際に読んでいるのか、小さな会社が先にやるべきこと、それでも作る場合の書き方と注意点までをまとめます。
この記事でわかること
- llms-full.txt とは何か、どこから広まったのか
- llms.txt との違い(目次と全文版)
- 472サイトの調査で分かった、小さな会社での使われ方
- 主な検索AIは実際に読んでいるのか
- llms-full.txt より先にやるべきことと、その優先順位
- 作る場合の書き方の見本と、4つの注意点
llms-full.txtとは?
llms-full.txt(エルエルエムズ フル テキスト)は、サイトの大事なページの本文を1つのテキストファイルにまとめたものです。サイトの一番上(https://自分のドメイン/llms-full.txt)に置きます。
名前の「LLM」は、ChatGPTなどのもとになっている「大規模言語モデル(Large Language Model)」の略です。つまり「AI向けの、全文をまとめたテキストファイル」という意味です。
ホームページの本文は、ふつうメニュー・広告・デザインのためのコードに囲まれています。AIがページを読むときは、そうした部分を取り除いて本文だけを取り出す必要があります。llms-full.txt は、最初から本文だけを1つのファイルにまとめておくことで、AIが一度にまとめて読めるようにする、という考え方です。
llms.txtとの違い
llms.txt が「AIに読んでほしいページの目次」だとすると、llms-full.txt は「本文をまとめた全文版」です。
| llms.txt | llms-full.txt | |
|---|---|---|
| 中身 | サイトの説明と、大事なページへのリンクの一覧 | 大事なページの本文をまとめたもの |
| たとえると | 目次 | 本文をとじた冊子 |
| 大きさ | 数KB〜数十KB | 数十KB〜数MB |
| 主な使われ方 | AIがどのページを読めばいいか知る | AIが1回の読み込みで内容をまとめて把握する |
| よく使われている分野 | さまざま | プログラムの説明書(開発者向けのドキュメント) |
llms.txt そのものについては、llms.txtは必要かの記事で詳しく説明しています。
llms-full.txt は「正式な決まり」ではない
llms.txt は、2024年に海外の開発者が提案した書き方がもとになっています。llms-full.txt は、その提案の中で触れられた「全文版」の考え方を、ドキュメントのサイトや作成ツールが広めたものです。国や業界の団体が決めた規格ではなく、書き方にも細かな決まりはありません。
どこから広まったのか
llms-full.txt は、もともと開発者向けのドキュメントのサイトで広まりました。プログラミングの説明書を、AIのコーディング支援ツールにまとめて読み込ませる、という使い方です。
開発者が「このプログラムの使い方をAIに聞きたい」と思ったとき、説明書のページを1枚ずつAIに読ませるのは手間がかかります。説明書の全文が1つのファイルにまとまっていれば、それをAIに渡すだけで済みます。このように、llms-full.txt は「人がAIに資料を渡すときの便利なファイル」として生まれたもので、検索AIに見つけてもらうためのものとして広まったわけではありません。
サイトに置くほかのファイルとの関係
サイトの一番上に置くファイルには、llms.txt・llms-full.txt のほかにも robots.txt やサイトマップがあります。役割を整理すると、次のとおりです。
| ファイル | 誰に向けたものか | 役割 | 小さな会社での必要度 |
|---|---|---|---|
| robots.txt | 検索エンジンやAIのクローラー | どこを読んでよいか・読まないでほしいかを伝える | 高い(中身の確認は必須) |
| サイトマップ(sitemap.xml) | 検索エンジン | どんなページがあるかを一覧で伝える | 高い |
| llms.txt | AI | サイトの説明と、大事なページの目次を伝える | 低い(置くなら中身を確認) |
| llms-full.txt | AI | 大事なページの本文をまとめて渡す | 低い |
robots.txt とサイトマップは、GoogleやBingが公式に使っている仕組みです。AI検索の多くは検索エンジンの登録をもとにしているので、まずはこの2つが正しく動いていることが大切です。確かめ方は、robots.txtの確認方法の記事とWordPressのサイトマップの記事で説明しています。
小さな会社のサイトで「全文版」の意味が薄い理由
開発者向けのドキュメントは、数百ページに及ぶことがあり、全文を1つにまとめることに意味があります。一方、小さな会社や店のサイトは、大事なページが10ページ前後のことがほとんどです。AIの検索用のクローラーがふつうにページを読める状態なら、わざわざ全文版を用意しなくても、必要な情報は読み取られます。
また、全文版は本文をそのまま写したものなので、ホームページを直すたびに、llms-full.txt も直す手間が増えます。更新が止まりがちな小さな会社のサイトでは、むしろ古い情報が残るリスクのほうが大きくなります。
調査:小さな会社のサイトでは、ほぼ使われていない
ここからは、選ばれるAI診断の調査結果です。税理士事務所・整体院・工務店・歯科医院・クリニックの公式サイト472件の /llms.txt を取得し、All in One SEO が作ったものについては /llms-full.txt の有無も確かめました。
| 項目 | 件数 |
|---|---|
| 調べた公式サイト | 472件 |
| llms.txt を置いていた | 59件 |
| そのうち All in One SEO が自動で作ったもの | 42件(配信の形式が違う5件を含む) |
| All in One SEO製の42件のうち、llms-full.txt もあった | 0件 |

All in One SEOでは、llms-full.txt は有料版の機能です。無料版を使っている小さな会社のサイトでは、作られていないのが普通です(All in One SEOのllms.txtの記事)。
調査の結果
- 472の公式サイトのうち、llms.txt を置いていたのは59件
- 59件の多くは、All in One SEO が自動で作ったもの(42件)
- 42件のうち、llms-full.txt を置いていたのは0件
- 自分で意図して llms.txt や llms-full.txt を作っているサイトは、ほとんど見られなかった
llms.txt を置いていたサイトの多くは、自分で作ったのではなく、プラグインが自動で作ったものでした。小さな会社のサイトで、llms-full.txt まで意識して作っているところは、まだほとんどないと言ってよい状況です。
AIは実際に読んでいる?
2026年の時点で、ChatGPT・Gemini・Perplexity などの主な検索AIが、llms.txt や llms-full.txt を回答に使うと公式に説明している例はありません。Googleは、AIによる概要に出るために特別なファイルは不要だと説明しています。
AIの検索用のクローラーは、ふつうのページを直接読みに来ます。つまり、ページの本文が読める状態なら、llms-full.txt がなくても、AIは必要な情報を受け取れます。逆に、ページの本文に答えが書かれていなければ、llms-full.txt にまとめても同じことです。
一方で、AIのコーディング支援ツールや、一部のAIエージェントは、llms.txt や llms-full.txt を読み込む仕組みを持っています。「置いておくと将来役に立つかもしれない」という位置づけです。
| 読む可能性があるもの | 状況 |
|---|---|
| ChatGPT・Gemini・Perplexity などの検索AI | 回答に使うという公式の説明はない |
| GoogleのAIによる概要 | 特別なファイルは不要と説明されている |
| AIのコーディング支援ツール | 開発者向けのドキュメントで使われている |
| 一部のAIエージェント | 読み込む仕組みを持つものがある |
よくある誤解:「置けばAIに紹介される」
「llms-full.txt を置くとAIに引用されやすくなる」と案内している情報もありますが、主な検索AIがそのように使っているという裏付けは、今のところありません。業者から llms-full.txt の作成をすすめられた場合は、何のために作るのか、どのAIが読むのかを確かめてください。費用をかけるほどのものではありません。
小さな会社は、何を優先すべきか
llms-full.txt を作るより先に、次のことを済ませてください。AIの回答に効くことが分かっている基本の項目です。不足の割合は、2026年10月2日に見直した採点基準で22業種・2,296の公式サイトを再診断した結果です。
| 優先 | やること | 2,296サイトで不足または一部不足だった割合 |
|---|---|---|
| 1 | 質問に答える見出しと、直後の短い答え | 91%・83% |
| 2 | 運営者の情報(会社概要)を文章で書く | 48% |
| 3 | 運営者の構造化データ | 97% |
| 4 | AIのクローラーを止めていないか確認 | GPTBotは809件中160件で拒否 |
| 5 | llms.txt を整える(置くなら中身を確認) | — |
| 6 | llms-full.txt | — |
優先1:質問に答える見出しと、直後の短い答え
AIが質問に答えるときに使いやすいのは、「料金はいくらですか?」のような質問の見出しと、そのすぐ下の1〜2文の答えです。llms-full.txt に本文をまとめても、本文そのものに答えがはっきり書かれていなければ意味がありません。
たとえば税理士事務所なら「個人事業主の確定申告だけ頼めますか?」「顧問料は月いくらからですか?」、工務店なら「土地探しから相談できますか?」のように、お客さんが実際に聞く質問をそのまま見出しにします。答えは見出しのすぐ下に、前置きをせずに1〜2文で書き、詳しい説明や条件はそのあとに続けます。再診断では、質問の見出しが不足していたサイトが91%あったので、ここを整えるだけでもほかのサイトとの差になります。書き方はよくある質問の構造化データの記事でも説明しています。
優先2:運営者の情報を文章で書く
会社概要のページに、正式な名前・所在地・電話番号・代表者・資格・実績を書きます。AIが「どこの誰の情報か」を判断する材料になります。
会社概要は、表に「所在地」「電話番号」だけを並べて終わりにしているサイトが少なくありません。代表者の名前と資格、創業の年、これまでの実績の数、対応している地域なども書いておくと、AIにも、初めて訪れたお客さんにも、信頼できる運営者だと伝わります。代表者のプロフィールの書き方は、代表者プロフィールの記事で説明しています。
優先3:運営者の構造化データ
名前・URL・ロゴ・連絡先・説明・公式SNSを、構造化データでも伝えます。書き方はOrganizationの構造化データの記事で説明しています。
再診断では、この項目が不足または一部不足だったサイトが97%と、22項目の中で最も多い結果でした。WordPressならSEOプラグインの「組織」や「ナレッジグラフ」の設定を埋めるだけで大きく改善します。WordPress以外でも、入力欄に書き込むだけでコードを作れる無料のツールがあります。llms-full.txt を作る手間を考えれば、こちらのほうがずっと短い時間で済み、効果もはっきりしています。
優先4:AIのクローラーを止めていないか
レンタルサーバーやCloudflareの設定で、AIのクローラーが知らないうちに止まっていることがあります。確かめ方はAIクローラーのブロックの記事で説明しています。クローラーが止まっていると、llms-full.txt を置いてもAIの会社のプログラムが読みに来られないので、ここは必ず先に確かめてください。
llms-full.txt は「最後の仕上げ」
AIに選ばれるための土台は、ページの本文・運営者の情報・構造化データ・クローラーの許可です。llms-full.txt は、これらがすべて整ったあとの「最後の仕上げ」と考えてください。土台が整っていないまま作っても、効果はほとんど期待できません。
作る場合の書き方と注意点
それでも作る場合は、サイトの一番上(https://自分のドメイン/llms-full.txt)に置きます。書き方に細かい決まりはありませんが、llms.txt と同じように、見出しを # で、説明を > で書く形が分かりやすいです。
# 〇〇税理士事務所
> 名古屋市中区の税理士事務所。個人事業主と中小企業の記帳・決算・相続税の申告を扱う。
## サービスと料金
(サービスのページの本文)
## よくある質問
(よくある質問のページの本文)
## 事務所案内
(事務所案内のページの本文)
- ページの本文と同じ内容にする:ホームページと違うことを書くと、AIが混乱します
- 大事なページにしぼる:ブログの全記事を入れると大きくなりすぎます。サービス・料金・よくある質問・会社概要を中心に
- 更新を忘れない:料金や営業時間を変えたら、llms-full.txt も直します。古い情報がAIに読まれる原因になります
- 文字コードはUTF-8:配信の設定で
charset=utf-8を付けると、文字化けを防げます
〇〇整体院がllms-full.txtに入れるページの例
入れる:施術の内容と料金、初めての方へ(流れ・持ち物)、よくある質問、院の案内(所在地・営業時間・院長のプロフィール)
入れない:休業のお知らせ、キャンペーンのページ、ブログの日記の記事、予約フォーム
ポイント:お客さんがAIに「〇〇整体院の料金は?」「予約なしで行ける?」と聞いたときに、答えになるページだけを選びます。
置き方
WordPressなら、All in One SEO の有料版などで自動で作る方法があります。自分で作る場合は、テキストファイル(UTF-8)として保存し、FTPやサーバーのファイル管理の機能で、サイトの一番上の場所(llms.txt や robots.txt と同じ場所)にアップロードします。置いたあとは、ブラウザで https://自分のドメイン/llms-full.txt を開いて、文字化けせずに表示されるかを確かめてください。
日本語が「ã」「ç」のような記号の並びに見える場合は、サーバーがファイルを送るときに文字コードの指定を付けていないことが原因です。ファイルの中身は壊れていないので、サーバーの設定で .txt に charset=utf-8 を付けるか、ホスティング会社に相談してください。また、llms.txt を置いている場合は、llms.txt の中に llms-full.txt へのリンクを1行入れておくと、読みに来たプログラムが全文版の場所を見つけやすくなります。
作る前・作ったあとのチェックリスト
- 質問の見出しと答え、会社概要、構造化データを先に整えた
- 入れるページを、サービス・料金・よくある質問・会社概要などにしぼった
- llms-full.txt の内容が、ホームページの本文と同じになっている
- ブラウザで開いたときに、文字化けしていない
- 料金や営業時間を変えたときに、llms-full.txt も直す担当と手順を決めた
よくある質問
llms-full.txt を置くと、ChatGPTに引用されやすくなりますか?
今のところ、主な検索AIがこのファイルを使うという公式の説明はありません。引用されるには、ページの本文そのものを整えることが確実です。
llms.txt と llms-full.txt は、両方必要ですか?
どちらも必須ではありません。置くなら、まず llms.txt を正しく整えてください。
置くと害はありますか?
内容がホームページと同じで、最新であれば、害はありません。古い情報が残ることのほうが問題です。たとえば、値上げしたあとも llms-full.txt に古い料金が残っていると、それを読んだAIが古い料金を答えてしまうおそれがあります。作るなら、ホームページを直すときに一緒に直す手順を決めておいてください。
検索順位に影響しますか?
影響しません。Googleは、llms.txt や llms-full.txt を検索順位の判断に使っていません。置いても置かなくても、Googleの検索結果は変わりません。
業者に作成を頼むべきですか?
小さな会社のサイトなら、お金をかけて頼む必要はありません。作るとしても、大事なページの本文をまとめるだけなので、作業は数時間で済みます。それより先に、本文や運営者の情報を整えることに費用や時間を使ってください。費用の考え方は、LLMO対策の費用相場の記事でまとめています。
All in One SEOの無料版で作れますか?
作れません。All in One SEOでは、llms-full.txt は有料版の機能です。無料版で自動で作られるのは llms.txt だけです。llms-full.txt のためだけに有料版にする必要はありません。
まとめ
llms-full.txt について、大事な点をまとめます。
この記事のまとめ
- llms-full.txt は、大事なページの本文を1つにまとめた全文版。llms.txt は目次
- もともとは、開発者向けのドキュメントをAIにまとめて読ませるために広まったもの
- 472の公式サイトで llms.txt があったのは59件、All in One SEO製の42件で llms-full.txt は0件
- 主な検索AIが使うと公式に説明している例はまだなく、小さな会社のサイトでは必須ではない
- 2,296サイトの再診断では、質問の見出しの不足が91%、運営者の構造化データの不足が97%。先にこちらを整える
- 作るなら、大事なページにしぼり、ホームページと同じ内容を保ち、更新を忘れない
llms.txt の有無やAIのクローラーの許可も含めて、自分のサイトの状態を確かめてみてください。選ばれるAI診断なら、URLを入れるだけで、22項目の判定と理由を無料で確認できます。
自分のサイトを、無料で診断する参考にした資料
調査の方法:2026年9月、選ばれるAI診断で診断した税理士事務所・整体院・工務店・歯科医院・クリニックの公式サイト472件(重複を除く)の /llms.txt を取得し、All in One SEO が作ったもの42件については /llms-full.txt の有無も確認しました。優先順位の表の不足の割合は、2026年10月に、2026年10月2日に見直した採点基準で22業種の公式サイト2,296件を再診断した結果です。個別のサイト名は公開していません。