AIO対策ツールの選び方|無料の診断ツールと有料の計測ツールの違い、小さな会社が先に使うもの
公開日: / カテゴリ: AI検索対策 / 執筆: エラバレル

「AIO対策のツールがたくさんあって、どれを使えばいいか分からない」「有料の計測ツールを入れないと、AI検索の対策はできないのか」。ChatGPTやGoogleのAIによる概要への対策を始めようとすると、まずツール選びで迷う人が多いようです。
先に結論をお伝えします。AIO対策のツールは、大きく「診断」「計測」「作成支援」「公式の無料ツール」の4種類に分かれ、役割がまったく違います。 小さな会社が最初に使うべきなのは、自分のサイトの足りないところを見つける無料の診断ツールと、Googleなどの公式の無料ツールです。有料の計測ツールは、土台を整えたあとに、継続して効果を追いたくなってから検討しても遅くありません。
選ばれるAI診断が22業種・2,296の公式サイトを診断したところ、平均点は100点満点で54.1点、半分のサイトがD判定(55点未満)でした。多くのサイトは、計測する前に、直すべき土台が残っている段階です。
この記事では、AIO対策ツールの種類と違い、診断ツールの結果の読み方、有料の計測ツールが必要になる場面、目的別の選び方までを順番に説明します。
この記事でわかること
- AIO対策とは何か、ツールが必要になる理由
- AIO対策ツールの4つの種類と、それぞれの役割
- 無料の診断ツールと有料の計測ツールの違い
- 診断ツールの結果の読み方(選ばれるAI診断の画面の例)
- 有料の計測ツールが必要になる場面と、選ぶときの確認点
- 会社の段階に合わせた、ツールの組み合わせ方
AIO対策とは? ツールが必要になる理由
AIO(AI Optimization、AI最適化)対策とは、ChatGPT・Gemini・Perplexity・GoogleのAIによる概要などの生成AIが質問に答えるときに、自分の会社やお店を情報源として選んでもらうための取り組みです。LLMO(大規模言語モデル最適化)やGEO(生成エンジン最適化)と呼ばれることもありますが、やることはほとんど同じです。用語の違いはAIOとは?の記事で説明しています。
AIO対策でツールが必要になるのは、人の目では見えない部分が多いからです。
- AIのクローラー(ページを読みに来るプログラム)を、robots.txt やサーバーで止めていないか
- 構造化データ(機械が読みやすい形で書いた情報)に、運営者の情報が入っているか
- 見出しの構造が整っているか、ページの最初のHTMLに本文が入っているか
- AIの答えの中で、自社がどのくらい紹介されているか
上の3つは「サイトの状態」、最後の1つは「AIの答えの結果」です。この2つは、まったく別の種類のツールで確かめます。ここを混同すると、ツール選びで迷います。
AIO対策ツールの4つの種類
AIO対策のツールは、役割で4つに分けると整理しやすくなります。
| 種類 | 何が分かるか | 費用の傾向 | 使う時期 |
|---|---|---|---|
| 診断ツール | 自分のサイトの、AIに選ばれるための条件の過不足 | 無料で使えるものが多い | 最初に、と直したあと |
| 計測ツール | AIの答えで、自社や競合がどれくらい紹介・引用されているか | 有料の月額が中心 | 土台を整えたあと、継続して |
| 作成支援ツール | 構造化データやよくある質問など、直すためのコードや文章を作る | 無料〜有料 | 直す作業のとき |
| 公式の無料ツール | Googleやマイクロソフトから見た、ページの登録状況や構造化データの読み取り | 無料 | いつも |
診断ツール:何が足りないかを見つける
URLを入れると、そのページやサイトが、AIに選ばれるための条件をどれくらい満たしているかを調べるツールです。クローラーの設定、構造化データ、運営者の情報、見出しの構造などを、まとめて確かめられます。「何を直せばいいか」を知るためのツールです。
計測ツール:AIの答えでの見え方を追う
あらかじめ決めた質問を、ChatGPTやGeminiなど複数のAIに定期的に聞き、自社の名前が出たか、どのページが引用されたか、競合と比べてどうかを記録するツールです。「対策の結果どうなったか」を追うためのツールで、多くは有料の月額制です。
作成支援ツール:直すための材料を作る
構造化データのコードを入力欄から作るツール、よくある質問の構造化データを作るツール、llms.txt を作るツールなどです。診断で見つかった不足を直すときに使います。
公式の無料ツール:検索エンジンから見た状態を確かめる
Google Search Console、Bing Webmaster Tools、Googleのリッチリザルトテスト、Schema Markup Validator などです。ページが検索エンジンに登録されているか、構造化データが正しく読み取れているかを、検索エンジンの側から確かめられます。AIの答えも検索の仕組みとつながっているので、これらはAIO対策でも欠かせません。
ツールの順番は「診断 → 直す → 公式ツールで確認 → 計測」
どんなに高機能な計測ツールを入れても、サイトの土台が整っていなければ、記録されるのは「紹介されていない」という結果だけです。まず診断で足りないところを見つけ、直し、公式ツールで読み取られているかを確かめ、そのあとで計測を始めると、ツールの費用がむだになりません。
無料の診断ツールと有料の計測ツールの違い
いちばん迷いやすいのが、無料の診断ツールと、有料の計測ツールの違いです。比べると、見ているものがまったく違うことが分かります。
| 比べるところ | 無料の診断ツール | 有料の計測ツール |
|---|---|---|
| 見ているもの | 自分のサイトのHTML・設定 | AIの答えの文章 |
| 分かること | 何が足りないか、なぜ足りないか | 紹介された回数、引用されたページ、競合との比較 |
| 結果の安定性 | 同じサイトなら同じ結果 | AIの答えは毎回変わるので、回数を重ねて傾向を見る |
| 必要な準備 | URLだけ | 追いかける質問のリスト、競合の名前 |
| 費用 | 無料のものが多い | 月額のものが中心 |
| 向いている段階 | 対策を始める前と、直したあと | 土台が整い、継続して改善したいとき |
診断ツールは「健康診断」、計測ツールは「体重計を毎日記録する」ようなものです。健康診断で悪いところが見つかっているのに、毎日体重を記録しても、体は変わりません。まず診断で悪いところを見つけて直すことが先です。
計測の結果は、聞き方で大きく変わる
AIの答えは、質問の言い回し、会話の流れ、使うAIの種類によって変わります。計測ツールの数字が少し上下しても、それだけで対策の良し悪しは判断できません。数か月単位の傾向で見るものだと考えてください。
診断ツールの結果の読み方
ここでは、選ばれるAI診断を例に、診断ツールの結果の読み方を説明します。ほかの診断ツールでも、考え方は同じです。
画面の見方
選ばれるAI診断では、URLを入れて診断すると、次の順番で結果が表示されます。
- 点数:AI検索への対応度を100点満点で表したもの
- 判定:点数に応じたA〜Dの4段階(A:90点以上、B:75点以上、C:55点以上、D:55点未満)
- 項目ごとの判定:22項目それぞれについて、足りているか、一部不足か、不足か
- それぞれの理由:なぜその判定になったのか(例:「構造化データに住所と電話番号が入っていません」)
点数・判定・各項目の理由までは無料で確認できます。項目ごとの具体的な直し方の表示は、有料のプランで見られるようにしています。
どんな項目を見ているか
22項目は、大きく次のまとまりに分かれます。
- AIに読まれるか:AI検索のクローラーを塞いでいないか、検索に載せない設定になっていないか、プログラムを動かさなくても本文が読めるか、HTTPSで配信されているか、サーバーの応答が速いか、サイトマップがあるか
- 誰のサイトか伝わるか:運営者情報のページがあるか、運営者情報の中身が十分か、問い合わせ先があるか、プライバシーポリシーなどの表記があるか、著者と更新日が分かるか
- AIが答えに使いやすいか:質問に答える形の見出しがあるか、見出しの直後に短い答えがあるか、見出しの構造が整っているか、箇条書きや表で整理されているか
- 機械に正しく伝わるか:構造化データがあるか、運営者の情報が構造化データに十分入っているか、ページの内容を構造化データで伝えているか、タイトルと説明文が適切か、共有用の情報(OGP)があるか、言語と正規URLの指定があるか
2,296サイトの結果から見る「点数の目安」
自分の点数が高いのか低いのかは、ほかのサイトと比べると分かりやすくなります。
22業種・2,296サイトの診断結果
- 平均点は54.1点、真ん中の値も54点
- 判定の割合は、A:0%、B:5%、C:44%、D:50%
- 80点以上のサイトは3.3%、70点以上でも11.4%
- WordPressのサイトの平均は58.9点、それ以外は49.5点
つまり、55点を超えれば半分のサイトより上、70点を超えれば上位1割に入ります。初めて診断して50点台でも、珍しいことではありません。大事なのは、直したあとにもう一度診断して、点数が上がったかを確かめることです。
「不足」の多い項目から直す
2,296サイトで不足が多かった項目は、次のとおりです。
| 項目 | 不足のサイト |
|---|---|
| 運営者の情報が構造化データに十分入っているか | 97% |
| 質問に答える形の見出しがあるか | 91% |
| ページの内容を構造化データで伝えているか | 91% |
| 見出しの直後に短い答えがあるか | 83% |
| 共有用の情報(OGP)があるか | 61% |
| 構造化データ(JSON-LD)があるか | 59% |
上の項目は、どれもWordPressならSEOプラグインの設定や、文章の追加で直せるものです。点数の低さの多くは、お金をかけずに直せる項目から来ているということです。構造化データは、入力欄に書き込むだけでコードを作れる作成支援ツールを使うと、専門の知識がなくても直せます。
構造化データ作成ツールを使う(無料)業種によって、つまずく項目は違う
全体では上の項目が多いのですが、業種別に見ると、ほかにもつまずきやすい項目があります。自分の業種の傾向を知っておくと、診断結果を読むときの参考になります。
- 美容室・ネイルサロン・旅館・ホテル・学習塾・英会話教室:運営者情報の中身(名称・所在地・連絡先・実績)が不十分なサイトが7〜8割。予約サイトやSNSに情報を任せ、自社のサイトには書いていないことが多い
- 歯科医院・眼科・クリニック・動物病院:プライバシーポリシーなどの表記がないサイトが7〜8割
- 中古車販売店・整形外科・自動車整備・動物病院:言語と正規URLの指定が不足しているサイトが5〜6割
- 旅館・ホテル・動物病院・不動産会社:プログラムを動かさないと本文が読めないサイトが15〜17%と、ほかの業種より多い
業種ごとの詳しい結果は、業種別の調査の記事で紹介しています。診断ツールの結果で「不足」が出ても、同じ業種の多くのサイトが同じところで止まっていることが多いので、落ち込む必要はありません。
診断のあとの進め方(1週間の例)
診断の結果を受け取ったら、次のように1週間ほどで進めると、無理なく直せます。
- 1日目:診断の結果を見て、「不足」の項目を書き出す。理由の欄を読み、どのページの何が足りないかをメモする
- 2日目:SEOプラグインや構造化データの設定で直せる項目をまとめて直す(運営者の構造化データ、OGP、タイトルと説明文など)
- 3〜4日目:会社概要に、名称・所在地・連絡先・実績を書き足す。プライバシーポリシーがなければ作る
- 5〜6日目:お客さんによく聞かれる質問を10個書き出し、質問の見出しと短い答えの形で、よくある質問のページを作る
- 7日目:もう一度診断して、点数と判定の変化を確かめる
自分で直すのが難しい項目(本文がプログラムで後から表示される作り、サーバーの応答の遅さなど)は、この段階で制作会社やサーバー会社に相談します。
有料の計測ツールが必要になる場面
有料の計測ツールが役に立つのは、次のような場面です。
- 土台の項目をひととおり直し、診断の点数が安定して高くなった
- 競合が多い分野で、AIの答えでの紹介のされ方を、競合と比べ続けたい
- 社内や取引先に、AI検索対策の効果を数字で報告する必要がある
- 追いかけたい質問が数十以上あり、手作業で聞いて記録するのが難しい
逆に、個人事業主や数人の会社で、追いかけたい質問が5〜10個なら、月に1回、自分でChatGPTやGeminiに聞いて記録するだけでも、傾向は十分につかめます。手作業での確かめ方は、決まった質問を新しい会話で聞き、自社の名前が出たか、引用のリンクに自社のページがあるかを表に書き込むだけです。
有料の計測ツールを選ぶときの確認点
- どのAI(ChatGPT・Gemini・Perplexity・AIによる概要など)を計測するのか
- 質問を自分で決められるか、何個まで登録できるか
- どれくらいの頻度で計測するのか
- 自社の名前が出たかだけでなく、引用されたページのURLまで分かるか
- 競合の名前を登録して、比べられるか
- 無料の試用期間や、月単位で解約できるか
有料のツールを選ぶときは、「必ずAIに表示される」のように、結果を約束する説明をしていないかも確かめてください。AIの答えは各社のAIが決めるもので、ツールの会社がコントロールできるものではありません。費用の考え方はLLMO対策の費用相場の記事も参考にしてください。
段階別:ツールの組み合わせ方
会社の段階ごとに、おすすめの組み合わせをまとめます。
これから始める段階
- 無料の診断ツールで、自分のサイトの不足を確かめる
- Google Search Console と Bing Webmaster Tools に登録する
- 構造化データは、作成支援ツールでコードを作って入れる
Bing Webmaster Tools は、ChatGPTやMicrosoft Copilotの答えとのつながりが指摘されている、見落としやすいツールです。登録の手順はBing Webmaster Toolsの記事で説明しています。
直している段階
- 直すたびに、同じ診断ツールで再診断して、点数と判定の変化を見る
- リッチリザルトテストや Schema Markup Validator で、構造化データが読み取れるかを確かめる
- Search Console で、ページが登録されているかを確かめる
構造化データの確かめ方は構造化データの確認方法の記事で、ツールごとに説明しています。
継続して改善する段階
- 月に1回、決まった質問をAIに聞いて記録する(手作業、または計測ツール)
- アクセス解析で、AIからの訪問の数を見る
- 新しいページを作ったら、そのページも診断する
〇〇工務店の組み合わせの例
最初の月:無料の診断で、運営者の構造化データと、質問の見出しが不足と分かった。SEOプラグインの設定で運営者の情報を入れ、施工事例のページに「工期はどれくらいですか?」などの質問を10個加えた。再診断で判定がDからCに上がった。
2か月目:Search Console と Bing Webmaster Tools に登録し、構造化データが読み取れていることを確かめた。
3か月目から:「〇〇市で自然素材の家を建てる工務店は?」など5つの質問を、月に1回ChatGPTとGeminiに聞いて記録している。今のところ、有料の計測ツールは使っていない。
AIO対策ツールを使うときの注意点
ツールは便利ですが、使い方を間違えると、時間やお金をむだにすることがあります。
- 点数を上げること自体を目的にしない:点数は、AIに選ばれるための条件がどれだけそろっているかの目安です。お客さんの役に立つ情報を書くことが、いちばんの目的です
- 複数の診断ツールの点数を比べない:ツールごとに、見ている項目も配点も違います。同じツールで、直す前と後を比べてください
- ツールの提案をそのまま貼らない:作成支援ツールで作った文章や構造化データは、自社の事実に合っているかを必ず確かめます。実在しない口コミや、事実と違う営業時間を入れると、かえって信頼を失います
- 個人情報の扱いを確かめる:計測ツールや作成支援ツールに、顧客の情報や社外秘の資料を入れないようにします
よくある質問
無料の診断ツールだけで、AIO対策はできますか?
足りないところを見つけて直す、という土台の対策は、無料の診断ツールと公式の無料ツールでできます。AIの答えでの紹介のされ方を継続して細かく追いたくなったら、計測ツールを検討してください。
診断ツールによって点数が違うのはなぜですか?
ツールごとに、調べている項目と配点が違うからです。点数を比べるときは、同じツールで、直す前と直したあとを比べるようにしてください。
診断の点数が高ければ、必ずAIに紹介されますか?
必ずではありません。点数は、AIに選ばれるための条件がそろっているかの目安です。実際に紹介されるかどうかは、質問に合った中身があるか、ほかの会社と比べてどうかにもよります。ただ、土台が整っていないサイトは、中身がよくても選ばれにくいので、点数を上げることには意味があります。
Search Consoleだけでは足りませんか?
Search Consoleは、Google検索での登録状況や構造化データの読み取りを確かめるのに欠かせません。ただ、AIのクローラーを止めていないか、質問の見出しがあるか、といったAI検索に特有の項目は、Search Consoleだけでは分かりにくいので、診断ツールと組み合わせて使います。使い方はSearch Consoleの使い方の記事で説明しています。
計測ツールは、いつから使えばいいですか?
診断の不足の多い項目を直し終えて、判定がCやB以上で安定してからがおすすめです。それまでは、手作業でAIに質問して記録するだけでも、傾向はつかめます。
WordPressでなくても、診断ツールは使えますか?
使えます。診断ツールは公開されているページを読みに行くので、WordPress・Wix・ジンドゥー・手作りのHTMLなど、作り方に関係なく診断できます。ただし、直し方は作り方によって変わります。
トップページ以外も診断したほうがいいですか?
はい。見出しの構造や、質問の見出し、ページの内容の構造化データなどは、ページごとに結果が変わります。トップページを直したら、次はサービスや料金のページ、よくある質問のページなど、お客さんがよく見るページも診断してみてください。AIが答えに使うのは、トップページよりも、質問に直接答えているページであることが多いからです。
まとめ
AIO対策ツールの選び方をまとめます。
この記事のまとめ
- AIO対策ツールは「診断」「計測」「作成支援」「公式の無料ツール」の4種類で、役割がまったく違う
- 無料の診断ツールは「何が足りないか」、有料の計測ツールは「AIの答えでどう紹介されたか」を見る
- 2,296サイトの平均は54.1点で、半分がD判定。多くのサイトは、計測より先に直すべき土台が残っている
- 順番は「診断 → 直す → 公式ツールで確認 → 計測」
- 有料の計測ツールは、土台が整い、継続して比べたくなってからで遅くない
- 点数は同じツールで、直す前と後を比べる
まずは、自分のサイトに何が足りないかを確かめるところから始めてください。選ばれるAI診断なら、URLを入れるだけで、22項目の判定と理由を無料で確認できます。
自分のサイトを、無料で診断する参考にした資料
調査の方法:2026年10月2日に見直した採点基準で再診断した結果です。選ばれるAI診断で、工務店・税理士事務所・歯科医院・クリニック・整体院・不動産会社など22業種の公式サイト2,296件(重複を除く)を診断し、点数・判定の割合と、項目ごとに「不足」または「一部不足」と判定された割合を集計しました。個別のサイト名は公開していません。